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『寝煙草の危険』『園井恵子』『近代日本美術展史』など書評掲載
2023/07/14 パブリシティ
◆『寝煙草の危険』(マリアーナ・エンリケス 著/宮﨑真紀 訳)の書評が「西日本新聞」(7月8日付)に掲載されています。
評者は河野聡子さん(詩人)です。
「ここに描かれた恐怖の内実は、突然人間に襲いかかり、取って食おうとする怪物の具現化ではない。どんな人も持ち得るネガティブな欲望や思考──保身や無関心、共感の欠如によって生み出された小さな悪意やうしろめたさなど、日常の心理に潜み、見ないふりをしているものがじわじわと襲ってくるのである」
「心拍音フェチの女性を語り手にした「どこにあるの、心臓」は、描写の緊迫感と官能性に大変驚かされた」
『寝煙草の危険』(マリアーナ・エンリケス 著/宮﨑真紀 訳)
カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛!
「美しく、怖ろしい......近ごろ私が発見した最高に面白い小説」
――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」
寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、
庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、
愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、
死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街......
◆『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』(千和裕之 著)の書評が「岩手日報」(7月9日付)に掲載されています。
「著者と一緒に園井の生涯を探索する旅に出かける趣がこの本にはある」
「未完の大器の人生を心に刻んでほしい」
『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』(千和裕之 著)
戦中映画の名作『無法松の一生』でヒロインを演じ、日本中を魅了した園井恵子。宝塚少女歌劇では春日野八千代らと舞台に立ち、随一の演技派として活躍。女優として阪東妻三郎、高峰秀子、丸山定夫らと映画や舞台で共演し、高い演技力と気品ある美しさから未来の大女優を嘱望されるも、終戦直前の昭和20年8月、滞在先の広島で運命の日を迎える――。
大林宣彦『海辺の映画館 キネマの玉手箱』、井上ひさし『紙屋町さくらホテル』のモデルになるなど、死後75年を経ていまも語り継がれる伝説の女優であり、演劇を通して自立した女性の生き方を追い求めた32年の劇的な生涯を、丹念な取材により描く初の本格評伝。
◆『近代日本美術展史』(陶山伊知郎 著)の書評が「産経新聞」(経済7月9日付)に掲載されています。
「マチスやピカソら巨匠へのアプローチ、8年がかりのゴッホ展など、展覧会にこぎつけるまでの興味深いエピソードも満載」
『近代日本美術展史』(陶山伊知郎 著)
明治政府が主催した"国宝"揃いの「内国絵画共進会 古画の部」、帝室博物館総長・森鷗外による学芸活性化の試み、戦時体制下の「正倉院御物特別展観」、GHQと美術展の関わり、徳川家当主も出馬したルーブル展の対仏交渉、マチスやビカソら巨匠へのアプローチ、8年がかりのゴッホ展ーー。新聞、雑誌、研究書、諸機関の内部資料などをもとに、数々の興味深いエピソードを散りばめつつ、近代国家建設と官設博物館(のちの帝室博物館)の関わり、百貨店や新聞社の美術展への参画の発端、両者の連携の歴史的経緯、美術館と新聞社の共同主催の成り立ち、主な美術展の構築過程など、語られることの少なかった美術展の歴史的背景や舞台裏をつぶさに描く。