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『〈ポストヒューマン〉の文学』『こんとんの居場所』『百貨店の戦後史』『濃霧は危険』『出淵勝次日記』『奇奇怪怪明解事典』など書評
2023/06/07 パブリシティ
★『〈ポストヒューマン〉の文学』の書評が「週刊読書人」5月26日号に。評者は小野俊太郎さん(文芸評論家)。
「全体に一貫して、ある種の短歌的抒情や政治的クリシェから脱して対象が論じられ、読者に知的刺激を与え続ける本である」
先週の読売新聞読書欄には郷原佳似さん(東京大学教授)の書評も。
「現代的な概念を携えて過去の作品を読み直すことの刺激的な実践がここにある」
人間の "後" には何が来るのか?――
〈人間中心主義〉の超克を画策する埴谷雄高、花田清輝、安部公房、澁澤龍彥の文学を共振させ、来たるべき〈ポストヒューマン〉のヴィジョンへと架橋する画期的論考。
★『こんとんの居場所』の書評が日本経済新聞6月1日付夕刊に。評者は陣野俊史さん(批評家)。
「舞台装置の捉えどころのなさと、人間たちの対比が奇妙な味わいを残す佳品」
著者の山野辺太郎さんは、5月31日付毎日新聞読書欄でもインタビューが掲載されています。
「日常から出発して、想像力ではるか遠くにたどり着く。突拍子もない話を、等身大のまなざしでつづる」
『こんとんの居場所』(山野辺太郎著)
いいんだよ、これで。なくなったんじゃなくて、変化しただけ――。 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による、二つの変身譚。
★書評が続く『百貨店の戦後史』ですが、今度は6月17日付図書新聞にて、谷内正往さん(大阪商業大学教授)の評が。
「本書は、これまであまり知られていない地方百貨店の史実を掘り起こした。ある意味フロンティアである」
『百貨店の戦後史 全国老舗デパートの黄金時代』(夫馬信一著)
著名建築家による壮大でモダンな店舗ビル、華麗な売場とシャレた店員たち、先端のエレベーター・エスカレーター、ステータスを感じさせる包装紙、当時は「ご馳走」だった大食堂、飽くことなく楽しめる屋上遊園地......かつて「百貨店」はそこに行けばすべてが手に入る魔法の玉手箱であった。しかし戦後、日本経済の浮沈や社会情勢の移り変わりとともに、百貨店は激動の歴史をたどることになる――。
かつて隆盛を極めたものの今は消えてしまった全国各地11店の老舗デパートを徹底取材。関係者の証言や当時の新聞記事などをつぶさに取り上げつつ、その黄金時代から閉店までの興亡の歴史を日本の戦後史とともに振り返る傑作ノンフィクション。カラー口絵16頁。貴重図版300点以上掲載!
★順調刊行中〈奇想天外の本棚〉の第6配本『濃霧は危険』について、同じく6月17日付図書新聞に佐藤みゆきさん(翻訳家)の書評も掲載されています。
「作品には読み手を魅了する要素が沢山詰まっている」「複雑な役どころを担う登場人物。効果的に散りばめられた仕掛けや伏線。そして結末に明かされる意義な事実。著者が読者に挑んでくる知的な戦いは捻りが効いている」
〈奇想天外の本棚6〉『濃霧は危険』(クリスチアナ・ブランド著/宮脇裕子訳/山口雅也 製作総指揮)
オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。
★『出渕勝次日記』の書評が「史学雑誌」2023年第4号に。評者は大窪有太さん(日本学術振興会特別研究員)です。
「日本外交史の第一級史料として、ぜひ手元に置いておきたい一冊である」
『出淵勝次日記』(高橋勝浩編)
戦前に外務省亜細亜局長、外務次官、駐米大使、貴族院議員を歴任し、戦後は参議院議員を務めた、出淵勝次の日記を完全翻刻。幣原喜重郎外相に外務省亜細亜局長・外務次官として仕え、日本外交の陣頭指揮をとった時期の政策決定過程や、満洲事変勃発時に駐米大使として、スティムソン国務長官ら当時のアメリカ政府首脳と交わした息詰まる折衝の模様など、外務省記録等の公文書だけでは捉え切れない日本外交の裏面を詳細に記録した第一級の史料。
★『奇奇怪怪明解事典』の記事が日本経済新聞6月10日付夕刊に掲載。ポッドキャストの書籍化が相次いでいるという話題のなかで、「モノとしての書籍の特徴をうまく生かした事例といえるだろう」という評価をいただきました。
『奇奇怪怪明解事典』(TaiTan/玉置周啓著)
2021年3月の JAPAN PODCAST AWARDS 2020 Spotify NEXT クリエイター賞の受賞を皮切りに、同年5月にはオーディオストリーミングサービス Spotify での独占配信が発表され、Spotify Podcastチャートで最高順位第1位をマーク、2021年12月現在の合計再生時間・合計再生回数は前年比999%増をたたき出すなど、近年のポッドキャストブームを代表する大人気番組となった「奇奇怪怪明解事典」が待望の書籍化!
日本のヒップホップシーンを牽引する グループDos Monos のメンバーTaiTan と、近年目覚ましい活動を展開するバンド MONO NO AWARE のフロントマン玉置周啓が多様なコンテンツと社会現象について語りのめす、アクチュアルな社会批評集にしてカルチャー全般への最良のガイドブック=ブックガイド。