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スタニスワフ・レム『マゼラン雲』書評が「図書新聞」9月3日号に掲載
2022/08/26 パブリシティ
スタニスワフ・レム『マゼラン雲』(スタニスワフ・レム・コレクション第2期第3回配本)の書評が「図書新聞」2022年9月3日号に掲載されております。評者は岡和田晃さん(文芸評論家・作家)。
「国書刊行会の〈スタニスワフ・レム・コレクション〉第2期が刊行中だが、最大の衝撃は本書『マゼラン雲』(1955出版、かつては『マゼラン星雲』と呼ばれることが多かった)がラインナップに含まれていることではないか」
「こう結論づけられよう――『マゼラン雲』を経由することなくして、作家・レムは「誕生」しなかったと」
『マゼラン雲』(スタニスワフ・レム/後藤正子 訳/沼野充義 解説)
32世紀。高度な科学技術的発展を成し遂げ、内太陽系をも生活圏とした人類は、その能力と野心を一層満たすために、ついに史上初の太陽系外有人探査計画に着手、地球に最も近い恒星であるケンタウルス座α星へ向かう決定を下した。そんな時代に、グリーンランドの小都市で医師の家庭に生まれた少年は、成長期の体験から宇宙航海士になることを決意、この有人探査計画を聞きつけると、遠征隊の審査試験に合格するために研鑽を重ね、晴れて巨大探査船ゲア号に搭乗する選りすぐりの遠征隊員の一員となる。そして迎えた出発の日、宇宙空間をゆっくりと動き出したゲア号は、次第に速度を増し、遥かなる未知の空間へと踏み出していった。暗黒の真空を突き進む旅路の果てにはいったい何が待ち受けているのであろうか?――レムが晩年まで、ポーランド国内での再版と外国語への新たな翻訳を拒み続けた幻の長篇がついに邦訳なる。映画『イカリエ-XB1』原作。