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「図書新聞」12月18日号「21年下半期読書アンケート」に『記憶の図書館』などが掲載
2021/12/10 パブリシティ
書評紙「図書新聞」の恒例「21年下半期読書アンケート」にて中村邦生さん(作家)に『記憶の図書館』を、崎山政毅さん(ラテンアメリカ思想史/現代資本主義分析)に『インヴィンシブル』を、古賀徹さん(哲学)に『水俣病事件を旅する』をそれぞれ選んでいただきました。
*「まさしく図書館を思わせるボルヘスの記憶の収蔵量は、あらためて驚嘆するほかないが、それを発問に応じ自在に引き出してくる文学への該博な知識はやはりすごみがある」(中村邦生氏)
ホルヘ・ルイス・ボルヘス/オスバルド・フェラーリ
垂野創一郎 訳
定価7480円
ボルヘス、世界文学の迷宮を語る――
ポー、ワイルド、カフカ、フロベール、ダンテ、スピノザ、ルゴーネス、幻想文学、推理小説----偏愛してやまない作家と作品をめぐり20世紀文学の巨匠が縦横自在に語った深遠なる118の対話集。多彩なテーマは日本、仏教、映画や、キリスト、仏陀、母、友情等々までにおよぶ。世界各国で出版されている名著の完訳版、本邦初訳。
*「何度読み返しても、レムの設定するファースト・コンタクトは、それが内にはらむ稠密な緊張感に圧倒されるばかりだ」(崎山政毅氏)
定価2420円
謎に満ちた惑星でいったい何が起こったのか!?――『エデン』『ソラリス』からつらなるファースト・コンタクト三部作の傑作、ポーランド語原典からの新訳刊行。
*「生涯を賭けて、岩よりも重い社会的現実に対し火の出るような正義を貫いてきたはずなのに、その重みに引きずり込むというよりは、さわやかな気によってひとに力を与え、自由にする」(古賀徹氏)
遠藤邦夫
定価2530円
たまたま水俣にたどり着いた「通りすがりの旅行者」としての著者の目には、未曽有の大事件が曇りなく歪みなく映し出される。水俣病事件の過ちは過去の出来事ではなく、現代日本の陰画(ネガ)でもある。
現在の日本と過去の日本をつなぎ、「地方」「国」のありかたを問い、「水俣病事件」という負の遺産が、未来への知的財産となりうることを示す。