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【明日開催】武蔵野美術大学×国書刊行会『膠を旅する』公開講座〈11/20(土)〉
2021/11/19 イベント
「日本画の伝統素材『膠』に関する調査研究」は、武蔵野美術大学共同研究として2017年に
始まりました。その研究成果は2021年、国書刊行会から出版された書籍『膠を旅する』、およ
び本学美術館にて同名を冠して開催された展覧会に結実しました。本研究では動物資源と表
現における問題にまで踏み込むことで、「膠」を単なる日本画の画材としてだけではなく、表現
の源流にある社会的あるいは身体的問題へと接近するものとして再思考しました。そして展覧
会では来館者の眼前に、ダイナミックにその世界をご覧いただきました。
本公開講座「膠を旅する――これからの表現と社会へ」では、内田あぐり氏や、研究の中心メ
ンバーであった後藤秀聖氏から、書籍や展覧会の目論み、そしてあまり表立って語られてこな
かった企画者の考えや思いを語っていただきます。さらに特別ゲストとして国立西洋美術館館
長の田中正之氏と永青文庫副館長の橋本麻里氏をお招きします。
美術と社会構造を媒介するものとしての「膠」を起点として、私たちが日ごろ目にすることのない
表現の原質を探ることで、これからの表現への考え方、あるいは向き合い方を探ると同時に、
そこから新たに開かれる表現の可能性について議論を深めていきます。
なお本公開講座は、国書刊行会からの『膠を旅する』の出版および武蔵野美術大学市ヶ谷キャ
ンパス講義室のリニューアル記念として開催します(武蔵野美術大学HPより)
※本講座はハイブリッド形式(来場とオンライン配信)での開催となります。
〈武蔵野美術大学×国書刊行会
公開講座「膠を旅する――これからの表現と社会へ」〉
[登壇者]田中正之(国立西洋美術館館長)
橋本麻里(ライター、エディター。公益財団法人永青文庫副館長)
後藤秀聖(原爆の図丸木美術館学芸員、美学校超・日本画ゼミ講師)
内田あぐり(画家、武蔵野美術大学名誉教授)
◆日時:11月20日(土) 17時~18時半
◆受講料:無料
◆参加方法:ハイブリット形式(来場+オンライン配信)
※来場、オンラインともに要予約
◎来場予約 ※満席となりました。
会場:武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス 5階 講義室
187-8505東京都新宿区市谷田町1-4
◎オンライン予約 https://peatix.com/event/3033020/view ←受付中
※会場開催につきましては、新型コロナウイルスウイルス感染症対策を講じた上で、開催いたします。
感染状況によって、オンライン配信のみになる場合がありますこと、ご了承ください。
イベント詳細ページ
[登壇者プロフィール]
田中正之(たなか まさゆき)
1963年東京都生まれ。国立西洋美術館館長。1990年東京大学大学院人文科学研究科修士課程美術
史学専攻修了後、ニューヨーク大学大学院美術史研究所で学ぶ。1996年より研究員として国立西洋美
術館に勤務、「マティス展」(2004年)や「ムンク展」(2007年)などを企画。2007年より武蔵野美術大学
にて教鞭をとり、2011年より4年間、同大学美術館・図書館館長、造形研究センター長を務める。2021
年4月より現職。主な編著に『近代の都市と芸術7 ニューヨーク 錯乱する都市の夢と現実』(竹林舎、
2017年)、『現代アート10講』(武蔵野美術大学出版局、2017年)、主な共著に『西洋美術の歴史8 20
世紀 越境する現代美術』(中央公論新社、2017年)など。
橋本麻里(はしもと まり)
1972年神奈川県生まれ。日本美術を主な領域とするライター、エディター。公益財団法人永青文庫副
館長。主な著書に『日本の国宝100』(幻冬舎、2011年)、『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(新潮社、
2013年)、『京都で日本美術をみる[京都国立博物館]』(集英社クリエイティブ、2014年)、『橋本麻里の
美術でたどる日本の歴史』全3巻(汐文社、2016年)、主な共著に『SHUNGART』(小学館、2015年)、
『北斎原寸美術館 100%Hokusai!』(小学館、2016年)など多数。
後藤秀聖(ごとう しゅうせい)
1985年福島県生まれ。原爆の図丸木美術館学芸員、美学校超・日本画ゼミ講師。2014年文星芸術大
学大学院博士後期課程修了。絵画制作、絵画組成研究として、日本固有の伝統的な絵画材料・素材の
文化史に着目し、特に膠の調査研究に従事。
内田あぐり(うちだ あぐり)
1949年東京都生まれ。画家、武蔵野美術大学名誉教授。1993年第12回山種美術館賞展大賞、2002
年第一回東山魁夷記念日経日本画大賞、2019年神奈川文化賞、2021年第二回JAPA天心賞大賞など
受賞多数。今日まで一貫して「身体」をテーマに、絵画において人間の存在を示すものとは何かという根
源的な問題に向き合う。古典的技法だけにとらわれず先鋭的な表現方法を用いた作品は、現代絵画とし
て新たな日本画の可能性を切り拓き続けている。近年の展覧会に、個展「内田あぐり――化身、あるいは
残丘」(武蔵野美術大学 美術館・図書館、2019年)、「生命のリアリズム:珠玉の日本画」において「特集
展示 内田あぐり」(神奈川県立近代美術館 葉山、2020年)、個展「内田あぐり VOICES いくつもの聲」
(原爆の図丸木美術館、2020年)など。