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『岸辺なき流れ』が新潮8月号で紹介されました。

2014/07/11 パブリシティ

新潮8月号で『岸辺なき流れ』が紹介されました。

評者は訳者の1人でもある安家達也氏。
「この小説は一言でまとめてしまえば、第一部の「木造船」で起きた事件と謎を前提に、
 主人公たちの同性愛の関係が、様々な男女によって危険にさらされるというものである。
 だが、インモラルな面はそれだけではない。こうした過程で語られるさまざまな挿話の
 なかで繰り返し現れる墓や棺や死のイメージには、腐敗や死体保存といった感覚的に嫌
 悪感を催させるような描写がリアルに加えられる。(中略)他にも一見本筋とは関係な
 いように思われる寓話的エピソードの挿入で、神秘的、迷宮的な雰囲気が高められてい
 る。」
「かくしてこの小説の主人公は、時間流れのなかで、絶対に避けることができない消滅に
 対して、男同士の愛(友)情と音楽によって抵抗しようとあがいているのである。」




9784336057686.jpg9784336057693.jpg『岸辺なき流れ 上・下』
ハンス・ヘニー・ヤーン 著
沼崎雅行/松本嘉久/安家達也/黒田晴之 訳
定価 6,264円(本体価格5,800円)
ユリシーズ』『失われた時を求めて』と並び称される
20世紀文学の大金字塔が、半世紀の歳月を掛けて遂に
翻訳なる!ひとりの作曲家を主人公に、人間と宇宙の
謎と深淵、生存と死の深奥の根拠に迫る一大大河小説。

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