オンデマンド版
チュウゴクゼンショノケンキュウ
酒井忠夫著作集 2 増補 中国善書の研究 (下)
発売日 2012/06
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05497-5
ページ数 450 頁 Cコード 0322
定価 16,280円 (本体価格14,800円)
前著『中国善書の研究』は、善書の作製、流通の最盛期であった明末清初期までを扱ったが、さらに清代~民国期の善書の作製、流通状況について明・清王朝の民衆教化策ともからめて述べる。次に日本、台湾、東南アジア、朝鮮等周辺諸国への伝流と影響について考える。また善書と関連する嘉言・教訓集の作製や山人的儒士の作製した教訓書、「清言」類についても触れる。
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酒井忠夫 (サカイタダオ)
1912年3月25日 福井県坂井郡棗村小幡に生まれる。
1935年3月、東京文理科大学東洋史学科卒業
1935年4月、東京文理科大学助手(東洋史学教室勤務)。
1964年4月、東京教育大学教授。
1974年5月、筑波大学教授・附属図書館長。
1975年4月、筑波大学名誉教授。
主著に、『中国善書の研究』(弘文堂、1960年)、『酒井忠夫著作集』(国書刊行会、1997年~2011年、全6巻)がある。
2010年2月19日逝去。
口 絵
まえがき
第一章 清朝の民衆教化策――聖諭宣講について
一 『勧善要言』と民間の六諭衍義
二 「聖諭十六条」の宣講
三 在城宣講と在郷宣講
四 明代の六諭宣講「郷甲会図」と清代の聖諭宣講「城郷宣講跪拝位図」
五 聖諭宣講郷約保甲における「記善」「記悪」等四簿
六 聖諭広訓宣講と孝弟忠信礼義廉恥
第二章 『宣講集要』と『宣講拾遺』
一 『宣講拾遺』について
二 『宣講集要』と『宣講拾遺』
三 『宣講集要』と聖諭十六条
四 『宣講集要』と『宣講引証』の編輯
五 『宣講拾遺』の出版経理人及び捐書捐資者
六 民間の宣講
附『救生船』の重刻について
第三章 儒教者と善書文化
一 清言について
二 『菜根譚』について
三 儒教における心学と善書
四 『人譜』と『聖学入門書』について
第四章 清代における感応篇の註釈書とその流通――『太上感応篇図説』と『感応篇直講』
一 呂海寰と慈善救済会及び中国紅十字会
二 『感応篇合註』について
三 『太上感応篇図説』について
四 許纘曽『太上感応篇図説』
五 二種の光緒刊『太上感応篇図説』
六 徐天行『太上感応篇註疏』
七 『太上感応篇直講』について
八 『太上感応篇直講』の印刻流通
第五章 「居官功過格」より『得一録』へ
一 はしがき
二 顔茂猷の「当官功過格」
三 清初の「居官功過格」―徐天行等の「居官功過格」
四 「費銭功徳例」について
五 官長・郷紳「不費銭功徳例」
六 三教帰儒の同善的共同体と善書
七 『得一録』について
第六章 『同善録』と『敬信録』、『敬信録』の流通
一 はしがき
二 康煕五十七年刊『同善録』について
三 『敬信録』の編輯と『関帝覚世経』
四 『敬信録』の流布
五 『敬信録』の各版
六 『全人矩矱』・『暗室燈』 附『文昌功過格』異本
第七章 清末の善書
一 道光以前の清代善書の総括
二 清末の善書
三 清末の善書叢刻について
第八章 明末以後、清代の宗教結社
一 はしがき
二 袾宏・徳清ら革新仏教の無為教批判
三 『開心法要』と無為教
四 明末における諸宗教結社
五 趙古元の宗教結社と劉天緒の無為教結社
六 明末、宦官勢力と関係のある宗教結社
七 清代の宝巻と宗教結社
第九章 江戸時代の日本文化に及ぼせる中国善書の影響並びに流通
一 はしがき
二 中世、近世日本への中国文化の伝来―善書を主として―
三 江戸前期日本における中国善書の流通
四 江戸中・後期日本における中国善書の流通
附一 琉球版善書について
附二 朝鮮及び東南アジア
索 引
定価17,050円(税込)