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ニホンゲンダイビジュツシカン:タカハシリュウタロウコレクション

日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

ひとりの精神科医が集めた日本の戦後  

発売日 2024/09/13

判型 B5変型判   ISBN 978-4-336-07688-5

ページ数 304 頁   Cコード 0070

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

内容紹介

「日本の戦後現代美術」の全貌に迫る、たったひとりの精神科医が集めたその圧倒的コレクションを集大成!

日本の現代美術を中心とするコレクションとしては質・量ともに世界最大級の「高橋龍太郎コレクション」。
本書では、伝説の作家から新進気鋭の作家まで、時代に対する批評精神あふれる総勢115組の作品をオールカラーで詳細な解説とともに余すところなく収録。
高橋龍太郎と藪前知子によるエッセイ、高橋龍太郎コレクション年表も付す。

【収録作家】
里見勝蔵|草間彌生|篠原有司男|羽永光利|宇野亞喜良|中村錦平|司 修|横尾忠則|赤瀬川原平|森山大道|荒木経惟|合田佐和子|立石大河亞|山口はるみ|菅 木志雄|空山 基|西村陽平|東恩納裕一|舟越 桂|森村泰昌|大竹伸朗|岡﨑乾二郎|O JUN|小林正人|前本彰子|根本 敬|奈良美智|柳 幸典|鴻池朋子|太郎千恵藏|村上 隆|村瀬恭子|∈Y∋|会田 誠|大岩オスカール|小沢 剛|ヤノベケンジ|天明屋 尚|千葉和成|西尾康之|やなぎみわ|小出ナオキ|加藤 泉|川島秀明|Mr.|山口 晃|岡田裕子|町田久美|石田尚志|小谷元彦|風間サチコ|塩田千春|蜷川実花|池田 学|三瀬夏之介|宮永愛子|華雪|加藤美佳|竹村 京|束芋|名和晃平|玉本奈々|国松希根太|竹川宣彰|できやよい|今井俊介|金氏徹平|工藤麻紀子|鈴木ヒラク|今津 景|小西紀行|小橋陽介|志賀理江子|千葉正也|毛利悠子|青木美歌|桑田卓郎|梅津庸一|大山エンリコイサム|坂本夏子|BABU|村山悟郎|森 靖|松井えり菜|松下 徹|やんツー|青木 豊|梅沢和木|佐藤 允|谷保玲奈|DIEGO|弓指寛治|近藤亜樹|庄司朝美|水戸部七絵|ナイル・ケティング|川内理香子|涌井智仁|ob|藤倉麻子|村上 早|BIEN|石毛健太|名もなき実昌|土取郁香|山田康平|友沢こたお|山中雪乃|Chim↑Pom from Smappa!Group|SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD|KOMAKUS|中原 實|久保 守|八谷和彦
*順不同

【高橋龍太郎コレクションについて】
精神科医、高橋龍太郎(1946- )が1997年から本格的に蒐集を始めた、最大級の日本の現代美術コレクション。草間彌生、合田佐和子を出発点として、特に1990年代以降の重要作家の初期作品・代表作を数多く有する。これまで「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」(2008-2010年 鹿児島県霧島アートの森、上野の森美術館ほか)、「高橋コレクション展−マインドフルネス!」(2013-2014年 名古屋市美術館ほか)、「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」(2015年 東京オペラシティアートギャラリー)など国内外26の公立・私立美術館でコレクション展が開催されてきた。2020年には、現代美術の振興、普及への多大な貢献が認められ、令和2年度文化庁長官表彰を受賞。その総数は3500点をゆうに超え、現在もなお若手作家の最新動向を中心に拡大中である。

■本書は、以下の展覧会の公式図録となります。
日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション
会期:2024年8月3日(土)―11月10日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F、ホワイエ
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
特別協力:高橋龍太郎コレクション
協力:医療法人社団こころの会

著者紹介

東京都現代美術館 (トウキョウトゲンダイビジュツカン)

現代美術の振興を図り芸術文化の基盤を充実させることを目的として、1995年3月に開館。約5,800点の収蔵作品を活かしたコレクション展示や大規模な国際展をはじめとする特色ある企画展示など、絵画、彫刻、ファッション、建築、デザイン等幅広く現代美術に関する展覧会を開催している。また、資料総数28万冊を揃えた美術図書室での美術に関する情報提供、教育普及を目的としたワークショップや各種講座、講演会等の活動もおこなっている。常に動き続けるコンテンポラリーアートを肌で感じることのできる機関である。

目次

第1章 胎内記憶
1946年、敗戦の翌年、日本国憲法が制定されたのと同じ年に、本書の「眼差し」の持ち主である高橋龍太郎は生まれた。本章では、ここから彼の収集が本格的に始まる1990年代半ばまでの、いわゆる「戦後」50年間の文化状況をコレクションの「胎内記憶」として、高橋がのちにこの時代の思い出を懐古するように収集した、若き日に影響を受けた作家たちの作品から辿っていく。

第2章 戦後の終わりと始まり
高橋龍太郎コレクションは、日本の「戦後」が終わり、現在まで続く低成長時代の始まりでもあると言える1990年代半ばに本格的に始まる。この時期、グローバル化していく現代美術の流れの中で、日本の文化や社会に対する鋭い批評性を持った多くの作家たちがデビューする。彼らの作品は、1960年代末の異議申し立ての時代に芸術への憧れを育てた高橋を大いに刺激してきた。本章では、コレクションを代表する作品の多くが含まれる、日本の戦後の自画像というべき作品群を紹介する。

第3章 新しい人類たち
高橋龍太郎コレクションの深化を紹介する本章では、その全体を貫く最も重要なテーマとして、人間を描いた作品に焦点を当てていく。芸術を通して人間の諸相に触れ、その創造性の根源を探りたいという欲求は、精神科医でもある高橋のコレクションの深層に流れ続けている。コレクションのトレードマークといえる有名作品から、最新の若手の作品までを紹介する。

第4章 崩壊と再生
2011年の東日本大震災と福島第一原発の事故は、東北地方にルーツを持つ高橋に大きな感覚の変化をもたらすことになった。本章では、原発事故の後の日本社会に対する風刺や、震災後の作家たちの最初の一歩など、この一連の出来事から生み出された表現を紹介する。生命の再生を主題とする作品は、本書のひとつのハイライトである。

第5章 「私」の再定義
東日本大震災以降、強い主張にリアリティを感じなくなったという高橋のコレクションには、その主体である「私」の存在を問い直すような作品が目立つようになる。何かが生成される過程や、不完全なものや未完成の状態を示すもの、あるいは自分の外にある現象や環境に、そのあらわれをゆだねるようなものなどが多くみられるようになったのだ。本章では、コレクションのなかからこれらの新しい感覚を印づける作品を、絵画やインスタレーションから陶芸まで、多彩なメディアを通して紹介する。

第6章 路上に還る
近年彼を惹きつけているのは、「路上──ストリート」から世界をまなざし、制作する作家たちである。かつて学生運動に身を投じた高橋にとって、これらの作品との出会いは、前衛芸術の記憶とともに、再び路上に還るような経験だと言えるかもしれない。若いアーティストたちの最新の動向を取り込みながら日々拡大する、高橋龍太郎コレクションの現在を紹介する。

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