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  4. 北京古建築 下巻

ペキンコケンチク ゲカン

北京古建築 下巻

王南 原著
李暉 監訳
岩谷季久子

発売日 2024/05/31

判型 A4判   ISBN 978-4-336-07643-4

ページ数 239 頁   Cコード 0052

定価 16,500円 (本体価格15,000円)

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内容紹介

万里の長城や北京故宮など、7つもの世界遺産を有する古都・北京の建築を詳説。外観・内観写真、立面・平面図等の建築図面に加え、古地図・古写真、壁画や仏塔、彫像の写真なども収載する圧巻のビジュアル。下巻には、「第五章 合院式住居」「第六章 仏教寺院」「第七章 仏塔」「第八章 道観とモスク」の4章を掲載。

【監訳者のことば】

李 暉(奈良女子大学 大和・紀伊半島学研究所古代学・聖地学研究センター 協力研究員)

 万里の長城・北京故宮・周口店の北京原人遺跡・頤和園・天壇・十三陵・大運河という、七つの世界文化遺産を有し、「都市計画における比類なき傑作」(梁思成)とも称される北京。日本の建築史家・伊東忠太は、北京の紫禁城と西苑を最初に測量した人物で、『中国建築史』などの著作には、北京古建築に関する多くの考察がある。また、常盤大定と関野貞による『中国文化史跡』は、多数の北京古建築を写真で記録するなど、近代以降の日本でも、中国とりわけ北京の建築に対する興味は尽きなかった。
 本書は、その北京の建築を網羅的に取り扱った王南著『北京古建築』(中国建築工業出版社、2015年)の日本語版である。原著は全16章からなるが、本書はこのうち序論、紫禁城、壇廟・儒学、宮廷庭園、合院民居、仏教寺院、仏塔、道観とモスクという、とりわけ日本の読者が興味をもつと思われる8章を抜粋して再編集し、日本語へ翻訳したものである。原著者の王南氏は、北京古建築に関する多くの業績を有し、中国の清華大学建築学院において教鞭をとられている。原著が出版に至るまで、十数年にわたる北京古建築の現地調査の蓄積があったからこそ、北京古建築の全貌を読者に魅せることができたと思われる。
 北京は、現在も中国の首都であるが、都としての歴史は、遼代(916~1125)の副都(燕京)、金代(1115~1234)の中都、元代(1271~1368)の大都まで遡る。明代(1368~1644)には永楽帝・朱棣が北京への遷都を機に中国江蘇省の大工集団を起用し、大規模な造営をおこなった。続く清代(1644~1912)も、北京を都として引き継ぎ、絶え間ない造営により現代に続く北京を造り上げたのである。紫禁城をはじめ、数々の皇族を象徴する建築が残されており、上記の章立てが古都北京の代表的な建築類型を捉えている。写真や図面を多数収録し、分かりやすく解説した本書によって、少しでも日本の読者が北京の古建築、またその背景にある中国文化を知っていただくことにつながれば、監訳者として嬉しい限りである。

【本書の特徴】
●圧倒的なビジュアル:総計800点余にも及ぶ外観・内観写真、立面図・平面図等の建築図面に加え、古地図・古写真、壁画や仏塔、彫像の写真なども多数収載。著名な建築を多角的な視点から味わうことができる。
●日本の読者に向けた編集:北京の建築を網羅的に取り扱った王南著『北京古建築』(中国建築工業出版社、2015年)のうち、日本の読者にとりわけ興味深い内容を新編集。建築の専門家以外にも分かりやすい翻訳で、北京古建築の魅力を徹底解説。各章冒頭には、その章内で取りあげられる建築・庭園等の所在を示す地図、巻末には、「主な北京建築一覧」を付す。
●七つの世界遺産を有する古都の歴史を伝える:建築にとどまらず、北京を古都として位置付ける歴史的な背景についても解説。金代、元代、明代、清代などの各時代における建築の変遷を丁寧に跡付ける。

著者紹介

王南 (おうなん)

1978年生まれ。故宮博物院故宮学研究所館員。2001年清華大学建築学院にて「建築学学士」、2008年同大学大学院にて「工学博士」を取得。2008年7月~ 2023年2月清華大学建築学院講師。2023年3月より現職。2019 年7月よりハーバード大学「中国芸術実験室」アソシエイト、2020 年9月より『建築史学刊』副編集長。著書に『規矩方円 天地之和ー中国古代都城、建築群与単体建築之構図比例研究』、『北京古建築』(上・下)ほか多数。

李暉 (りほい)

中国山西省生まれ。2015年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。奈良文化財研究所アソシエイトフェローを経て、2023年より奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所古代学・聖地学研究センター協力研究員。著書に『「営造法式」にみる中国宋代における設計原理と部材加工技術』(東京大学学位請求論文、2015年。アジア太平洋研究賞[井植記念賞]佳作受賞、2016年)など、訳書に“Hamlet Survey Report Phu Hoi Village Dong Nai Province Socialist Republic of Viet Nam”(奈良文化財研究所、2018年)、『中国の建築装飾』(共訳、科学出版社東京、国書刊行会、2021年)、『中国古典庭園 園冶図解』(監訳、科学出版社東京、ゆまに書房、2023年)などがある。

岩谷季久子 (イワヤキクコ)

翻訳家。中国南開大学留学、中国語講師などを経て現在に至る。主な訳書に『ジェームス· リーの予言』(東洋出版)、『あかちゃんパンダ』『とおくまで』『風のぼうけん』(樹立社)、『本場に学ぶ中国茶』『人民元II 進む国際化戦略』『中国教育史 古代篇』『図説国子監』『青蒿とアルテミシニン系薬剤』『野生パンダ科学的探究』『北京の長城』『中国古典庭園 園冶図解』『飼育下パンダの野生復帰』(科学出版社東京)、共訳書に『郎世寧全集』(科学出版社東京、国書刊行会)、『王羲之王獻之書法全集』(科学出版社東京、ゆまに書房)、監訳に『中国運河史伝』(科学出版社東京)などがある。

目次

第五章 合院民居
 第1節 合院民居
 第2節 代表的な邸宅
第六章 仏教寺院
 第1節 仏教寺院概説
 第2節 代表的な仏教寺院
第七章 仏塔
 第1節 仏塔概要
 第2節 代表的な仏塔
第八章 道観とモスク
 第1節 道観
 第2節 モスク
***
主な北京古建築
参考文献
あとがき
監訳者あとがき

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