ジュウランショウヨウ
十蘭逍遙
発売日 2023/11/22
判型 四六判 ISBN 978-4-336-07562-8
ページ数 320 頁 Cコード 0095
定価 2,970円 (本体価格2,700円)
生粋のジュラニアンによる至妙にして至極のエッセイ。
函館で過ごした新聞記者時代の青春、演劇熱が昂じての上京とパリ留学、華麗な交友関係やフランス文学をはじめとする読書傾向、報道班員として従軍した苛酷な大戦体験など、多面体作家・久生十蘭の足跡を辿る。巻末に詳細な年譜を収録。
「十蘭の作品、文章、そして言葉を読んでいると、頭で理解する以前に、わけのわからぬ感嘆詞が喉元にこみあげてくることがある。そんな身体的生理的変化にも惑わされて、久生十蘭という森をさ迷い歩いてきた。」(「あとがき」より)
※ 本書は白水社刊『久生十蘭』に大幅な加筆を行い全面的に再構成した増補改訂版です。
装幀:岡本洋平(岡本デザイン室)
装画:西山彰「銚子海岸に佇む久生十蘭像」(木版画)
江口雄輔 (エグチユウスケ)
1946年福岡県生まれ、昭和女子大学名誉教授。共著に『「新青年」読本』(作品社、1988年)、単著に『久生十蘭』(白水社、1994年)、編著に『定本久生十蘭全集』(国書刊行会、2008~2013年)がある。
Ⅰ
十蘭を読む楽しみ
十蘭前史
芝居と演劇
一九二九年、パリへ
パリ風景
パリの日本人群像
パリの十蘭
コート・ダジュールの十蘭
阿部正雄と久生十蘭
「金狼」とピエール・マッコルラン「真夜中の伝統」
スタンダールに学ぶ
戦争と十蘭
『鉄仮面』をめぐって
スタヴィスキー事件と「十字街」
パリ再訪の夢
Ⅱ
水の物語
清原啓子の十蘭
Ⅲ
久生十蘭年譜
あとがき