ハリウッドノルル
ハリウッドのルル
発売日 2023/04/10
判型 A5変型判 ISBN 978-4-336-07478-2
ページ数 340 頁 Cコード 0074
定価 3,520円 (本体価格3,200円)
完全なる幻影、夢の女……ハリウッドの反逆者……悪女の誘惑……ミューズの蠱惑……アンチスターの肖像……魔的な美、堕ちた天使……エロスの化身……
サイレント期アメリカ映画界で活躍し、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒと並び称され、今もハリウッド黄金時代のミューズとして多くの人々に愛されている伝説の女優、ルイズ・ブルックス(1906-1985)。〈自由な精神の権化〉たる自らの人生を軽やかに語り、40年の長きにわたって読み継がれている自伝的エッセイの傑作がついに登場(1982年刊)。
すべての男女を破滅に導く“宿命の女”ルルを演じて神話的存在となった代表作『パンドラの箱』ほか、『人生の乞食』『淪落の女の日記』などの主演映画の舞台裏、W・C・フィールズ、ハンフリー・ボガートなどのハリウッド・スターやウィリアム・ウェルマン、G・W・パプストなどの監督との交友、そして魑魅魍魎が跋扈するハリウッド・バビロンの〈天国と地獄〉を歯に衣着せぬ闊達な文章で綴る。
序文=ウィリアム・ショーン 解説=ロッテ・H・アイスナー、ケネス・タイナン
*原書刊行時に寄せられた絶賛評
〈辛辣で、威勢がよく、饒舌。機知や悪口が小気味よく飛び交う。『ハリウッドのルル』でブルックスは、ともに生きた僚友たちの、彼女の鋭い目が射貫いたありのままの姿を共感こめて描いている。その前では多くの映画解説者の神秘めかした物言いはカビ臭く聞こえてしまう。ここでのルイズ・ブルックスは、香に包まれ、花の冠を戴いた清浄の女神ではなく、皮肉な警句を飛ばす生きのいい話相手であり、通俗やもったいぶった感傷癖とは正反対のところに身を置いている〉 ジェイムズ・ウォルコット「エスクワイア」
〈無駄のない奔放な文体で書かれた、時代の証言たり得るこれらのエッセイは、アメリカ映画に関する文章で私がこれまでに読んだ最高のもののひとつだ……22歳のルイズ・ブルックスは“ルル”を映画史に刻み込んだ。75歳の彼女は『ハリウッドのルル』でもうひとつの至芸を見せた〉ジョン・ラー「ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー」
〈深い洞察とめくるめく自在な語り口――ダイヤモンドの切れ味を持った文章は爽快で、その美しさは表現の正確さに裏打ちされている〉 「フィルム・コメント」
ルイズ・ブルックス (ルイズ・ブルックス)
Louise Brooks(1906~1985)
宮本高晴 (ミヤモトタカハル)
1952年福井県生まれ。英米映画関係の翻訳にたずさわる。主な訳書に『ワイルダーならどうする? ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話』(キネマ旬報社)、『王になろうとした男 ジョン・ヒューストン』(清流出版)、『ロバート・アルドリッチ大全』『ルビッチ・タッチ』『ジョージ・キューカー、映画を語る』(いずれも国書刊行会)など。
序文 ウィリアム・ショーン
第1章 カンザスからニューヨークへ
第2章 『人生の乞食』のロケ撮影
第3章 マリオン・デイヴィスの姪
第4章 ハンフリーとボギー
第5章 W・C・フィールズのもうひとつの顔
第6章 リリアン・ギッシュとグレタ・ガルボ
第7章 パプストとルル
エピローグ なぜ私は回想録を書かないか
私の見たルイズ・ブルックスーー目撃証人は語る ロッテ・H・アイスナー
黒ヘルメットの女 ケネス・タイナン
ルイズ・ブルックス フィルモグラフィー
訳者あとがき
索引(人名・映画題名)