ムコノカイガ
無辜の絵画
靉光、竣介と戦時期の画家
発売日 2020/06/03
判型 B5変型判 ISBN 978-4-336-06662-6
ページ数 336 頁 Cコード 0071
定価 4,180円 (本体価格3,800円)
幻想的な細密描写で独自の画風を築いた靉光(1907~1946)、病のため聴力を失いつつも結晶のごとき作品を紡いだ松本竣介(1912~1948)。ともに早逝した二人を中心に、太平洋戦争期にあっても、なお愚直に自らの絵画を模索し続けた多くの画家たちの作品と、それらが織りなす時代の息吹をたどる。
カラー図版165点。全国の美術館学芸員の論考・エッセイを多数収録(すべて書下ろし)。文献案内と関連年表を付す。
〈収録作家〉
靉光、松本竣介、恩地孝四郎、長谷川利行、川口軌外、福沢一郎、鳥海青児、山口長男、山路商、吉原治良、村井正誠、難波田龍起、長谷川三郎、井上長三郎、鶴岡政男、山口薫、北川實、吉井忠、森芳雄、糸園和三郎、寺田政明、船田玉樹、麻生三郎、桂ゆき、澤田哲郎、中野淳
広島市現代美術館 (ヒロシマシゲンダイビジュツカン)
序にかえて――この本の成り立ちといくつかのこと 寺口淳治(広島市現代美術館)
【図版・作家解説】
靉光
【論文】
静物としての動物 大谷省吾(東京国立近代美術館)
画室からの風景――昭和十九年東京・小石川 江川佳秀(徳島県立近代美術館)
靉光のシュルレアリスム 出原 均(兵庫県立美術館)
靉光《静物》(個人蔵)について│「宋元画風」作品の素地と展開 藤崎 綾(広島県立美術館)
【図版・作家解説】
松本竣介
【論文】
迎えいれる絵画――松本竣介《画家の像》から《Y 市の橋》まで 田中 淳(公益財団法人 大川美術館)
「茶房りゝおむ」をめぐる断章│ 松本竣介、北川實を中心に 小此木美代子(公益財団法人 大川美術館)
一九三七年の松本竣介――未刊行の「日記」より 長門佐季(神奈川県立近代美術館)
【図版・作家解説】
恩地孝四郎/長谷川利行/川口軌外/福沢一郎/鳥海青児/山口長男/山路商/吉原治良/村井正誠/難波田龍起/長谷川三郎/井上長三郎/鶴岡政男/山口薫/北川實/吉井忠/森芳雄/糸園和三郎/寺田政明/船田玉樹/麻生三郎/桂ゆき/澤田哲郎/中野淳
【論文】
複数のレアリスム――戦時期日本およびヨーロッパの諸相 宇多瞳(広島市現代美術館)
靉光、竣介、その周辺の画家たちの文献案内――画集・回顧展カタログ・著述 橘川英規(東京文化財研究所)
関連年表
図版リスト