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  4. 地域包括ケア 看取り方と看取られ方

ミトリカタトミトラレカタ

地域包括ケア  看取り方と看取られ方

第三次生活困難期における支援策  

発売日 2018/01/22

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06241-3

ページ数 276 頁   Cコード 0047

定価 2,750円 (本体価格2,500円)

内容紹介

日本では、少子化・高齢化に加えて、人びとの貧困化・孤独化が進行している。国は、「地域包括ケアシステム」を各自治体に構築させているが、現在の社会保障を続けている限り、悲惨な敗戦が待っている。守るべきものは何か、捨てるべきものは何か。答えは、人びとの中にしかない。『医療崩壊』の著者が、業界を代表する論客21人と共に問う。

著者紹介

小松秀樹 (コマツヒデキ)

医師。NPOソシノフ運営会員。1974年、東京大学医学部卒業。山梨医科大学泌尿器科学教室助教授、虎の門病院泌尿器科部長などを経て、2010年5月より2015年9月まで亀田総合病院副院長。
著書に『慈恵医大青戸病院事件 医療の構造と実践的倫理』、『医療崩壊 立ち去り型サボタージュとは何か』、『医療の限界』など。

小松俊平 (コマツシュンペイ)

NPOソシノフ代表理事。2003年、東京大学法学部卒業。
ソシノフは、少子高齢化、雇用喪失等の社会問題に対応し、地域活性化による職の提供、教育、職業訓練、子育て支援、医療、介護、貧困対策、その他社会サービス向上のための取組みを総合的かつ集中的に行う。

熊田梨恵 (クマダリエ)

『ロハス・メディカル』論舌委員。2001年大阪府立大学社会福祉学部卒業。NPO法人「パブリックプレス」代表理事、NPO法人「ハート・リング運動」理事、昭和大学医学部客員講師。著書に『救児の人々~医療にどこまで求めますか』、『共震ドクター~阪神、そして東北』(長尾和宏医師との共著)、『胃ろうとシュークリーム』など。

目次

目次
はじめに
第一章 地域包括ケアの理論と背景
地域包括ケアの歴史的必然性
人口の変化と社会保障
社会保障の方向転換
介護保険制度の設計思想
官民役割分担の原則
地域持続の雇用戦略──三つの転換で交差点型社会を
首都圏の医療・介護の近未来
財政難の中での寄付の役割──共感と資金を集める

第二章 地域包括ケアの戦略
地域包括ケアの戦略──合理性に基づく標準化
地域包括ケアと情報ネットワーク

第三章 急性期病院からの退院がその後の方向を決める
急性期病院からの退院──成否を決める三要素
急性期病院からの退院──あなたの望みがかなうとは限らない
胃ろうはなぜ社会問題になったか
あなたは人生の最期をどう生きたいですか──もしもを考え、話し合い、理解し合うためのアドバンス・ケア・プランニング

第四章 在宅医療の歴史と実情
在宅医療の歴史──看取りの変化
在宅医療の役割分担──医師はどの程度役に立つのか
医者の出す薬は効くのか──多剤併用の弊害
医療・介護の提供量が少なくなると、老い方、死に方はどう変わるのか

第五章 介護する側の負担
看取りまでの期間は三種類
家族介護の負担とその後
メタボ検診よりも虐待検診を
辞めていく介護職
介護職の給与の背景となる経済学的環境──増額は可能か

第六章 認知症は難しい
認知症高齢者の住む「意味の世界」
認知症グループホームが抱える課題
認知症に対する多職種チームによる訪問支援

第七章 社会的包摂
孤独死は減らせるのか
地域での集団による見守りの試み

第八章 貧困と健康
非正規労働者と社会保険
子どもの貧困
社会経済的要因による健康格差
無料低額診療規定
無料低額診療の実際

第九章 生活を支える
生活支援
有償ワンストップ相談
財産管理の規格化の必要性
看護学生寮併設高齢者向け住宅──フローレンスガーデンハイツ

第十章 死生観と孤独
広井良典と中江兆民
子規の最期の日々
「おくりびと」にみる孤独
国民国家とコミュニティ

あとがきに代えて──過去の生活困難期を振り返る

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