キョウカクノセカイエドカラショウワマデ
侠客の世界──江戸から昭和まで
発売日 2015/11/24
判型 四六判 ISBN 978-4-336-05977-2
ページ数 296 頁 Cコード 0321
定価 2,970円 (本体価格2,700円)
江戸時代から昭和の始めにかけて、侠客は賭博(娯楽)をはじめとして、貸元・札差(金融・運送)、人入(人材派遣)、台屋(仕出し)、用心棒(警備)、火消(消防)、鳶職(建設)、米相場、芸能といった世界を仕切っていただけでなく、大物政治家たちの集会の手配、外国要人の警備もおこなっていた。また、幕末繰り広げられた数々の戦いで官軍として戦った者の多くは侠客であった。侠客は日本の歴史の裏舞台であらゆる分野にわたって活躍していたといえる。本書は、幡随院長兵衛をはじめとして、かつて歌舞伎や浪花節、映画の主役として登場し、江戸から昭和まで庶民の人気を集めていた侠客について、様々な角度からその歴史、実態、伝説を紹介する。
村松梢風 (ムラマツショウフウ)
明治22年、静岡県生まれ。慶應義塾大学中退。大正15年に雑誌『騒人』を創刊。代表作に『近世名勝負物語』『正伝清水次郎長』『魔都』『女経』『残菊物語』などがある。
目次
刊行にあたって
侠客の成り立ち
侠客の発生および発達 高須芳次郎
侠客の分類法 白柳秀湖
侠客および侠客思想 千葉亀雄
侠客列伝
大前田英五郎 倉田 湖
国定忠次 筑波四郎
相政伝─相模屋政五郎 邦枝完二
浪花侠客 小林佐兵衛 村松梢風
侠客と力士 江見水蔭
蕎麦屋のじいさん 三田村鳶魚
旗本奴 森 銑三
犬を恐れた新門辰五郎 前田曙山
真の侠客─明治侠客伝 伊藤痴遊
東西女侠客伝 宮本 良
伊豆侠客物語 久八騒動 栗原 誠
創作 奴の小万 井東 憲
義人小伝次 沢田撫松
落ちぶれた親分の話 前田 晃
現代侠客評伝 白雲亭散史
現代侠客三人男 淀川金太郎
侠客異聞
侠客の口上と賭博
侠客の口上と旅人
賭博の話 芙蓉窓隠士
侠客をめぐる世界
歌舞伎役者と侠客 岡本綺堂
黙阿弥劇の侠客 河竹繁俊
遊郭と侠客 長尾素枝
黄表紙の侠客 笹川臨風
史記の游侠伝 田中貢太郎
徳川時代の刑法と
侠客長脇差との関係 荒木桜洲
アンケート「私の好きな侠客」