バクマツメイジショキフランスガクノケンキュウ
幕末明治初期フランス学の研究[改訂版]
発売日 2014/05
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05762-4
ページ数 680 頁 Cコード 3085
定価 19,800円 (本体価格18,000円)
幕末明治初期の日本におけるフランス語学受容の歩みを、著者の蒐集した貴重な文献資料に基づいて探る。日本の近代化に大きく貢献したフランス学者たちの紹介やフランス語学習の要となった辞書の実例などを豊富な写真図版とともに詳解。『幕末明治初期 フランス学の研究』(1988年刊)の増補改訂版。
田中貞夫 (タナカサダオ)
1939年東京都生まれ。1980年パリ第三大学にて博士号取得。1987年芸術文化勲章(フランス)受章。日本フランス学研究、日仏文化交流史、日本フランス語教育史専攻。創価大学、慶應義塾大学、法政大学、亜細亜大学、早稲田大学などで教壇に立つ(フランス語)。著書に『幕末明治初期フランス学の研究』(国書刊行会)などがある。
はじめに
凡例
第一章 フランス語への挑戦
一 長崎の阿蘭陀通詞
二 わが国をとりまく国際情勢
三 わが国最初の仏語学習
四 『拂郎察辞範』の成立
1 「一草稿」
2 「二草稿」
3 「三草稿」
4 「四草稿」
第二章 フランス学の先覚者・村上英俊
一 生い立ち
二 佐久間象山との出会い
三 フランス学の始祖
第三章 村上英俊の著作
一 三語便覧
1 象山の字書出版計画
2『三語便覧』の構想
3『三語便覧』の構成
4『三語便覧』の刊行年
5 仮名文字による発音表記
6 依拠した参考文献
7 外国出版の辞書との関連
二 洋學捷徑佛英訓辨
三 五方通語
1 『雑字類編』の影響
2 オランダ辞書との関連
四 英語箋 英語箋後編
1 『英語箋』
2 『英語箋後編』
五 佛語明要 明要附録
1 『佛語明要』
2 『明要附録』
六 佛蘭西答屈智幾
1 『佛蘭西答屈智幾』の内容
2 《Traité de Tactique》の構成
3 両書の比較
4 村上英俊の解釈力
七 西洋史記
八 佛英獨 三國會話
第四章 幕末に収集されたフランス書
一 松代藩架蔵の洋書
1 仏語書購入の経路
2 洋学関係の史料
二 徳川幕府によって収集された仏語書
1 葵文庫の創設
2 フランス書籍の目録
補考(其の一) 松代藩出版の翻訳書
一 兵制士官学校の設立
二 兵制士官学校の教科書
1 『法國歩兵演範 散兵部』
2 『法國歩兵演範 小隊部』
3 『法國新式歩兵演範 銃兵黌法』
第五章 フランス語の教育機関
一 横浜仏語伝習所
1 幕府の親仏政策
2 伝習所の設立
3 伝習生の資格
4 ロッシュの報告と演説
二 仏学塾・達理堂
1 開塾の時期
2 仏学塾の状況
3 達理堂の門人録
4 英俊の仏学における開祖的意義
第六章 フランス留学生・入江文郎
一 その生涯
二 フランス留学生の名簿
三 入江文郎の仏文
1 学校宛の書簡
2 日本紹介の文章
3 東洋学者会議での講演
補考(其の二) 最年少の留学生・小野政吉
一 小野善右衛門とは
二 オルチュス学院へ入学
三 当時の学校制度
四 教科書
五 寄宿舎
六 卒業後の人生
第七章 地方のフランス学者・山本松次郎
一 生い立ち
二 仏語学習の経歴
三 山本松次郎の仏語字書
1 佛語荘嶽(其の一)
2 佛語荘嶽(其の二)
3 和佛譯囊
4 佛和譯囊
四 山本松次郎の仏文
1 佛文稿
2 Collection de thèmes français
3 Cahier de conversation
あとがき
索 引