パウリーナノオモイデニ
パウリーナの思い出に
発売日 2013/05/29
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-04841-7
Cコード 0097
定価 2,640円 (本体価格2,400円)
人生とは神々を楽しませるための見世物にすぎない――幻影の土地に生まれた真の幻想作家ビオイ=カサーレス、本邦初の短篇集。愛の幻想、もう一つの生、夢の誘い、そして影と分身をめぐる物語。
――ぼくはずっとパウリーナを愛していた。二人の魂は結びついていた、そのはずだった……代表作となる表題作をはじめ、バッカス祭の夜、愛をめぐって喜劇と悲劇が交錯する「愛のからくり」、無数の時空を渡り歩き無数の自己同一性を生きる男の物語「大空の陰謀」など、ボルヘスをして「完璧な小説」と言わしめた『モレルの発明』のビオイ=カサーレスが愛と世界のからくりを解く十の短篇。本邦初のベスト・コレクション。
《明晰でしかもとらえがたい曖昧さをたたえた文体、意想外の展開を見せるストーリー、巧緻をきわめたプロット、どれをとっても見事というほかはない》(木村榮一)
アドルフォ・ビオイ=カサーレス (アドルフォビオイカサーレス)
Adolfo Bioy Casares(1914~99) アルゼンチンの作家。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの共同執筆者として『ドン・イシドロ・パロディ六つの難事件』などの作品や選集を多数刊行、1940年発表の『モレルの発明』で真の幻想小説家として確固たる評価を得る。
野村竜仁 (ノムラリュウジン)
高岡麻衣 (タカオカマイ)
序文 木村榮一
パウリーナの思い出に
二人の側から
愛のからくり
墓穴掘り
大空の陰謀
影の下
偶像
大熾天使
真実の顔
雪の偽証
訳者あとがき