新装版
リタヘイワースノハイシン
リタ・ヘイワースの背信
(新装版旧版)
発売日 1991/08/20
判型 四六判 ISBN 978-4-336-02450-3
ページ数 292 頁
定価 2,456円 (本体価格2,233円)
1930年代から40年代のアルゼンチンの田舎町、バジェホス。ありあまる倦怠と空虚と貧苦を、もっぱら映画の神話で満たそうとする人々の非情な生。そして映画に憑かれたひとりの少年の孤独。
バルガス=リョサらと並ぶラテンアメリカ文学の巨星が、口語・俗語・卑語を徹底的に駆使しつつ、会話・内的独白・日記・作文・投書・ノート・手紙等のコラージュともいうべき特異な構成によって描き上げた力作。この一作でプイグは一躍ラテンアメリカ文学界の寵児となったのである。
マヌエル・プイグ (マヌエルプイグ)
1932年~1990年。アルゼンチン、ブエノスアイレス州に生まれる。イタリアへ留学、映画監督・脚本家を目指してヴィットリオ・デ・シーカ、ルネ・クレマンの元で助監督を務めたが挫折し、小説家に。処女長篇『リタ・ヘイワースの背信』が一躍脚光を浴び、帰国後発表した『赤い唇』(1969)『ブエノスアイレス事件』(1973)がベストセラーとなる。1973年、ペロン復権により亡命を余儀なくされ、アメリカ、メキシコ等を転々としつつ、『蜘蛛女のキス』(1976)、『天使の恥部』(1979)、『このページを読む者に永遠の呪いあれ』(1980年)、『南国に日は落ちて』(1988年)など傑作を次々と発表。1990年に来日後、メキシコでエイズにより死去。
内田吉彦 (ウチダヨシヒコ)
1937年生まれ。東京外国語大学大学院中退。フェリス女学院大学名誉教授。