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ユウセイシソウ・ハンシュッショウシュギヲシジスルショウガイシャタチ
優生思想・反出生主義を支持する障害者たち
発達障害者から見たこの世界
発売日 2026/04/16
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-07855-1
ページ数 272 頁 Cコード 0095
定価 2,640円 (本体価格2,400円)
発達障害(ASD、ADHD等)の当事者たちが「自分はうまれてこないほうがよかった」「発達障害者は子どもを持つべきではない」と語る背景には何があるのか。
本書はこの問いに答えるため、「優生思想」「反出生主義」をめぐる思想史的整理、21人の当事者インタビュー、当事者・支援者・専門家による分析、そして鼎談を通して、この問題を多角的に掘り下げる。
収録するのは、10代から50代まで、世代や背景の異なる発達障害当事者21名へのインタビューである。生育環境から現在の生活、そして「優生思想」や「反出生主義」に対する自身の考えまでを丁寧に記録した。
「周囲と同じようにできない」「努力が足りない」といった評価に傷つき、追い詰められた当事者たちが、いかにして自己否定に至るのか。社会的価値観や周囲の言葉が、当事者の自己認識にどのような影響を及ぼすのかを問い直す。
当事者研究の第一人者・横道誠氏と、支援現場の最前線で活動する児童指導員・すぷりんと氏の論考に加え、『〈叱る依存〉がとまらない』などの著作で知られる臨床心理士・村中直人氏との鼎談も収録。
優生思想や反出生主義は、決して極端で特殊な思想ではない。それらは、「生産性至上主義」や「自己責任論」が支配する現代社会のなかで、多くの人が抱え込まざるをえない痛みから生じている。本書は当事者を断罪するのではなく、その「生きた声」に耳を傾けることで社会の歪みを可視化し、誰もが「自分は存在してよい」と思える社会への指針を示す一冊である。
横道誠 (ヨコミチマコト)
1979年生まれ。博士(文学・京都大学)。京都府立大学准教授。専門は文学・当事者研究。著書に『みんな水の中──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院)、『イスタンブールで青に溺れる──発達障害者の世界周航記』(文藝春秋)、『ひとつにならない──発達障害者がセックスについて語ること』(イースト・プレス)、『創作者の体感世界──南方熊楠から米津玄師まで』(光文社)、『発達障害者は〈擬態〉する――抑圧と生存戦略のカモフラージュ』(明石書店)、『やっぱり人生を支えてくれる宗教の言葉~二〇〇〇年の叡智から私が学んできたこと~』 (光文社新書)ほか多数。
すぷりんと (スプリント)
1992年生まれ。 児童指導員・オンライン家庭教師として、発達障害のある子どもとその家族の支援に携わる。当事者として、親子ボードゲーム会や優生論勉強会などのイベントを主催。これらの知見を活かし、講師業や執筆活動も行っている。
著書に『ニューロマイノリティ――発達障害の子どもたちを内側から理解する』(北大路書房、寄稿)。
はじめに (横道誠)
第1章:優生思想と反出生主義――生命倫理をめぐって語る、ただし個人的な流儀で(横道誠)
第2章:当事者たちの声 21人のインタビュー
第3章:消えたがる当事者たち (すぷりんと)
第4章:鼎談 「平均」という多数派の解体─選択としての生、宿命としての優生思想(横道誠×すぷりんと×村中直人)
おわりに (横道誠)







