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エリザベス・ボウエンノタンペンヲヨム

エリザベス・ボウエンの短篇を読む

発売日 2024/11/25

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07689-2

ページ数 328 頁   Cコード 0098

定価 4,180円 (本体価格3,800円)

内容紹介

短篇は若い芸術だ――ボウエン

20世紀英国文壇を代表するアングロ・アイリッシュの作家。
幻想的な短篇の名手、その秘密に迫る。
アイルランド、戦争、ジェンダー、超自然、幻想など、12人の論者がボウエンを多面的に浮き彫りにする意欲的試み。
ボウエン自身による優れた短篇論3本を併録。

チェーホフやモーパッサン、D・H・ロレンスなどを評価し、リアリズムよりもファンタジーや超自然に触れる短篇約100篇を残したボウエン。短篇が小説の試作であることはおよそなく、彼女にとっては自分の世界を、もっともストレートに表現できる手段であった。20世紀初頭に英国で、映画と並んで新しい「芸術ジャンル」として勃興した短篇が、みずからの創作とシンクロし、そのまま生涯書き続けたボウエンの創作の秘密を解き明かす。

エリザベス・ボウエン(Elizabeth Bowen 1899-1973)
300 年続いたアングロ・アイリッシュの一族として1899 年アイルランド・ダブリンに生まれ、7 歳でイングランドに渡る。ジェイムズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフと並ぶ20世紀を代表する作家のひとり。10 篇の小説と約100 篇の短篇その他を残した。最後の小説『エヴァ・トラウト』はブッカー賞候補となった。邦訳に、『ホテル』『友達と親戚』『北へ』『愛の世界』『リトル・ガールズ』『エヴァ・トラウト』『ボウエン幻想短篇集』(国書刊行会)、『パリの家』『心の死』『日ざかり』(晶文社)、『最後の九月』(而立書房)、『あの薔薇を見てよ――ボウエン・ミステリー短編集』『幸せな秋の野原――ボウエン・ミステリー短編集2』(ミネルヴァ書房)、『マルベリーツリー』(ハーマイオニー・リー編、而立書房)など。

著者紹介

エリザベス・ボウエン研究会 (エリザベス・ボウエンケンキュウカイ)

2013 年、エリザベス・ボウエンの日本における研究の本格化を企図し40 名で発足。ボウエン作品の研究発表及び機関誌「エリザベス・ボウエン研究」を発行。研究の成果として『エリザベス・ボウエンを読む』(音羽書房鶴見書店)、『エリザベス・ボウエン――二十世紀の深部をとらえる文学』(彩流社)を上梓。

目次

序論 短篇の興隆と短篇作家としてのエリザベス・ボウエン………太田良子

〈第一部 作家・作品論〉
・新しきセンセイション小説——短篇「針箱」を読む………窪田憲子
・チョコレートと芸術と消化不良——短篇「ミセス・モイシー」の〈食〉の表象から探る、ボウエンとモダニズムの関係………松井かや
・ボウエンが生み出した〈完璧〉なガヴァネス——短篇「割引き品」におけるお金・ガヴァネス・『エマ』………杉本久美子
・『フェイバー版現代短篇集』をめぐって——ボウエンとT・S・エリオット………松本真治

〈第二部 アイルランド問題を中心に〉
・アイルランドの語り方——短篇「手と手袋」から『愛の世界』へ………北 文美子
・短篇「幸せな秋の野原」にみるアイルランドの表象とボウエンの技法………米山優子
・イギリス、アイルランド、アングロ・アイリッシュの表象をめぐる問題——短篇「奥の客間」と「彼女の大盤振舞い」における心霊主義………小室龍之介

〈第三部 少女の問題、女の問題〉
・少女の世界とその時空間——短篇「ジャングル」を読む………伊藤 節
・ボウエン的主題と手法のつまった短篇「闇の中の一日」——場所・記憶・少女を中心に読み解く………甘濃夏実
・短篇「よりどころ」の「不気味なもの」——亡霊が女の孤独のよりどころ………清水純子

〈第四部 戦争を背景に〉
・死の過去から生の未来へ——短篇「恋人は悪魔」「幸せな秋の野原」「幻のコー」における幻想表現………丹治美那子
・七歳まで字が読めなかった——短篇「幻のコー」vsロンドン大空襲………太田良子

〈第五部 ボウエンによる短篇論(翻訳)〉
・短篇小説(『フェイバー版現代短篇集』序文)………エリザベス・ボウエン 小室龍之介訳
・イングランドの短篇作品………エリザベス・ボウエン 米山優子訳
・『アン・リーの店』序文………エリザベス・ボウエン 米山優子訳

あとがき/索引

エリザベス・ボウエンの短篇を読む


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