ナポレオンセンソウ
ナポレオン戦争 下
発売日 2024/09/12
判型 A5判 ISBN 978-4-336-07609-0
ページ数 581 頁 Cコード 0022
定価 9,680円 (本体価格8,800円)
1793年のトゥーロン包囲戦から1815年のワーテルローまでのナポレオン自身が参加した会戦を戦略・戦術的に分析した、現在に至るまでナポレオン戦争について書かれた最も体系的・網羅的な書籍で、まさにナポレオン戦争の「バイブル」として名高い世界的名著『The Campaigns of Napoleon』。待望の翻訳復刊!
巻末の付録には主要会戦の各国の戦闘序列や、グランド・アルメ(大陸軍)の時期別の編制表、用語解説などが収録されており、史資料としても重要。また軍事面だけではなく、革命期から帝政期にいたる政治外交面についても詳述しており、この時代についての通史としても価値ある書籍となっている。
※下巻には半島戦争からワーテルロー、訳者あとがき、補論、参考文献、索引、付録を収録。
◆本書は2002年に信山社から翻訳刊行された『ナポレオン戦争 欧州大戦と近代の原点』(全5巻)を翻訳の見直しと図版の修正を加えて全2巻(上・下)に再構成したものである。
デイヴィッド・ジェフリ・チャンドラー (デイヴィッドジェフリチャンドラー)
1934年生まれ。オックスフォード大学卒業後、陸軍将校として三年間従軍。1960年からサンドハースト王立陸軍士官学校の講師となる。以来34年間同校で研究・教育に従事。1980年から1994年までは軍事史部門主任教官を務める。1967年から20年近くイギリス軍事史学会の会長を務め、1986年から同会名誉会長。編著作は『Dictionary of the Napoleonic Wars』(1979)『Marlborough as Military Commander』(1979)『The Oxford Illustrated History of the British Army』(1994)など多数。
君塚直隆 (キミヅカナオタカ)
1967年東京都生まれ。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。関東学院大学国際文化学部教授。博士(史学)。専攻は近代イギリス政治外交史。著書に『近代ヨーロッパ国際政治史』(有斐閣、2010年)、『立憲君主制の現在』(新潮選書、2018年)、『エリザベス女王』(中公新書、2020年)、『君主制とはなんだろうか』(ちくまプリマー新書、2024年)、『イギリス国王とは、なにか――名誉革命』(NHK出版、2024年)などがある。
糸多郁子 (イトダイクコ)
1964年東京都生まれ。津田塾大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。桜美林大学リベラルアーツ学群教授。専攻は近現代イギリス文学・文化。著書に『D・H・ロレンスの新理論』(共著、国書刊行会、1999年)、『イギリス小説の愉しみ』(共著、音羽書房鶴見書店、2009年)、『第二次世界大戦後のイギリス小説――ベケットからウィンターソンまで』(共著、中央大学出版部、2013年)、『食文化からイギリスを知るための55章』(共著、明石書店、2023年)、訳書にトマス・ハーディ『人生の小さな皮肉』(共訳、大阪教育図書、2002 年)などがある。
竹村厚士 (タケムラアツシ)
1966年神奈川県生まれ。武蔵野大学教養教育センター研究員、神奈川工科大学非常勤講師。専攻はフランスおよびヨーロッパ近代軍事史。著作に「『狭義の軍事史』から『広義の軍事史』へ──RMAからみたフランス革命〜ナポレオン戦争」、阪口修平、丸畠宏太編著『近代ヨーロッパの探求:軍隊』(ミネルヴァ書房、2009年、所収)、「『セギュール規則』の検討──アンシャン・レジームのフランス軍における改革と反動」、阪口修平編著『歴史と軍隊:軍事史の新しい地平』(創元社、2010年、所収)、P・ドイル著『データでみる第二次世界大戦──軍事力、経済力』、兵器、戦闘、犠牲者』、(監訳、柊風社、2014年)、『近現代軍事戦略家事典──マキャヴェリからクラウゼヴィッツ、リデル・ハートまで』(共著、原書房、2023年)などがある。
竹本知行 (タケモトトモユキ)
1972年山口県生まれ。同志社大学大学院法学研究科政治学専攻博士後期課程修了。安田女子大学教授。博士(政治学)。専攻は日本政治史。著書に『幕末維新の西洋兵学と近代軍制――大村益次郎とその継承者――』(思文閣出版、2014年)、『大村益次郎――全国を以て一大刀と為す――』(ミネルヴァ書房、2022年)などがある。
【下巻】
第11部 イベリア半島での策謀 スペイン・ポルトガル戦役 一八〇七年~一八〇九年
第55章 リスボンへの道
第56章 仕組まれた危機
第57章 バイレンとヴィメイロ
第58章 エアフルトでの苦々しい取り引き
第59章 皇帝参上
第60章 ムーア追撃
第61章 未完に終わった偉業
第12部 ハプスブルク家の再興 最後の勝利 ドナウ戦役一八〇九年 ヴァグラムの戦い シェーンブルンでの和平
第62章 新たなる挑戦
第63章 ドナウの危機
第64章 アスペルン=エスリンク
第65章 二度目の試み ヴァグラム
第66章 成功という名の幻影
第13部 モスクワへの道 ナポレオンのロシア遠征 第一部 一八一二年六月二十二日~九月十五日
第67章 フランス=ロシア協定の決裂
第68章 戦争の計画と準備
第69章 ロシア侵攻
第70章 ボロディノ
第14部 退却 ナポレオンのロシア遠征 第二部 一八一二年九月十六日~一八一三年三月六日
第71章 不安定な立場
第72章 軍の崩壊
第73章 ベレジナ川
第74章 エルベ川への退却
第75章 巨人の失敗
第15部 落日 諸国民会戦 ナポレオンによるドイツの保持と連合軍壊滅の野望 ライプツィヒの戦いでの大敗北
第76章 新たなる軍の編成
第77章 リュッツェンとバウツェン
第78章 休戦
第79章 ドレスデン
第80章 諸国民会戦
第81章 自然国境への回帰
第16部 「祖国は危機にあり」 一八一四年の戦役・ナポレオンの退位
第82章 時間稼ぎ
第83章 危険な開戦
第84章 素早い回復
第85章 シュヴァルツェンベルクの失墜
第86章 北方における阻止 ラン
第87章 最期の賭け アルシと皇帝退位
第17部 百日天下の戦役 ナポレオンのエルバ島脱出から最後の敗北まで
序 ル・カイユにて
第88章 皇帝の帰還
第89章 ブリュッヒャーへの猛攻
第90章 ネイ元帥の見込み違い
第91章 最後の一手
第92章 ワーテルロー
第93章 追記
訳者あとがき
補論 ヴァルミーから現代へ
付録
主要人名索引