マーガレット・フラー
マーガレット・フラー
新しい女性の生き方
発売日 2024/02/26
判型 A5判 ISBN 978-4-336-07458-4
ページ数 584 頁 Cコード 0023
定価 4,950円 (本体価格4,500円)
ピューリッツア賞受賞!
19世紀に女性の新しい生き方を示した、マーガレット・フラー伝。
女性の社会進出の道が閉ざされていることへの苛立ちは、新しい生き方を求めるマーガレットの原動力となった。理想の社会の出現を期待し、『19世紀の女性』でアメリカのフェミニズム言説を切り拓き、「ニューヨーク・トリビューン」紙の記者となったマーガレットは、初の女性海外特派員としてヨーロッパに向かう。
マーガレットはつねに時代の先を生きた。イタリアでローマ共和国の一時的な成立を目撃したあと、アメリカに帰国する途上で、ニューヨークを目前にしながら嵐に遭遇し海に消えたマーガレットの未完の人生に、著者は命を吹きこむ。
マーガレットの勇気、決断、信念は、時代を超えて、みずからの人生を切り拓く意味を力強く訴える。
日記や手紙や著作に記されたマーガレット自身の言葉を丹念に紡いで活き活きと現代に蘇る、40年の生涯。幼いマーガレットの早熟な知性、誇り、喜び、孤独、悲しみが描き出され、思春期の恋や戸惑いも浮き彫りにする傑作評伝。
メーガン・マーシャル
アメリカの研究者・作家。
『マーガレット・フラー』で2014年ピューリッツア賞受賞。フランシス・パークマン賞、マーク・リントン歴史賞を受賞し、2006年ピューリッツア賞の最終選考となった『ピーボディ姉妹』の著者。2022年BIO(Biographers International Organization)賞。
エマソン大学教授。
伊藤淑子 (イトウ ヨシコ)
大正大学文学部教授
著書:『家族の幻影』(大正大学出版会、2004)、『史料で読むアメリカ文化史』(共著、東大出版会、2005)、『「アンクル・トムの小屋」を読む』(共著、彩流社、2007)、アメリカ文学にみる女性改革者たち』(共著、彩流社、2010)、『ファンタジー、空想の比較文化』(新水社、2014)、『19世紀アメリカ作家たちとエコノミー』(共編著、彩流社、2023)
訳書:マーガレット・フラー『19世紀の女性』(新水社、2013)、ジミー・カーター『アクションを起こそう』(共訳、国書刊行会、2016)、オルガ・R・トゥルヒーヨ『私の中のわたしたち』(国書刊行会、2017年)
日本語版に寄せて
プロローグ
Ⅰ 子ども時代
1 三通の手紙
2 エレン・キルショー
3 作文「できると信じる者ができる」
4 マリアナ
Ⅱ ケンブリッジ
5 若き女性の友人たち
6 親和力
Ⅲ グロトンとプロヴィデンス
7 「私の心にふさわしい家はない」
8 「生きかえって」
9 「私の意見を試して」
Ⅳ コンコード、ボストン、ジャマイカ・プレイン
10 「私たちは何をするために生まれたのか」
11 「トランセンデンタリズムの信条」
12 コミュニティと協定
13 「もっとも新しい新世界」
Ⅴ ニューヨーク
14 「太陽を浴びて人生の最高点に」
15 「毎日︑紙の翼で飛んで」
16 「私自身の秘密と同じ、人間の秘密」
Ⅵ ヨーロッパ
17 ベンローモンドで迷子になって
18 「私の精神のなかで大きくなるローマ」
19 「私という存在からすべて誕生した存在」
Ⅶ アメリカに向かって
20 「より完全に、より真実に、生きた」
21 「幸運な風は吹かない」
エピローグ 「親愛なる嵐のあとに」
謝辞
訳者あとがき
原注
索引