発売日 2021/06/07
判型 四六判変形 ISBN 978-4-336-07186-6
ページ数 368 頁 Cコード 0098
定価 3,520円 (本体価格3,200円)
本格ミステリの巨匠エラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイ、マンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家。プロット担当のダネイと小説化担当のリーは、毎回、手紙と電話で意見を交換しながら作品を創り上げたが、その合作の実際は長く秘密にされてきた。本書は二人の往復書簡によって、二つの異なるタイプの才能が細部の検討を重ね、時に激しい議論を戦わせながら、中期の傑作『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を完成させていく過程を明らかにした貴重なドキュメント。
「この書簡集を夢中になって読み終えた今、私は、フレッドとマニーがこれだけ争っているのに本が完成して出版されたという事実を、信じることができない。しかし、二人がそれをやってのけたことを神に感謝しよう!」
――ウィリアム・リンク(本書序文より)
ジョゼフ・グッドリッチ (ジョゼフ・グッドリッチ)
ミネソタ州生まれ、ニューヨークを中心に活躍する劇作家・作家。戯曲『パニック』でアメリカ探偵作家クラブ賞(最優秀脚本賞)を受賞(2008)。本書はアンソニー賞、アガサ賞の候補作となった。エラリー・クイーンやレックス・スタウト作品の舞台化も手掛ける。
飯城勇三 (イイキユウサン)
1959年生まれ。東京理科大学卒業。エラリー・クイーン研究の第一人者。著書に『エラリー・クイーン論』『エラリー・クイーンの騎士たち』(論創社)、『本格ミステリ戯作三昧』(南雲堂、本格ミステリ大賞受賞)、編著に『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)、訳書にエラリー・クイーン『間違いの悲劇』(創元推理文庫)、フランシス・M・ネヴィンズ『エラリー・クイーン 推理の芸術』(国書刊行会)など。
序 ウィリアム・リンク
EQのABC
クイーン年表
一九四七年 十日間の不思議は続く
一九四八年 猫が姿を見せる
一九四九年 「この黒人の役割」
一九五〇年 悪の起源
別れの言葉
最後の一撃
謝辞
訳者あとがき