発売日 2020/07
判型 四六判 ISBN 978-4-336-06588-9
ページ数 648 頁 Cコード 0093
定価 3,630円 (本体価格3,300円)
『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった現代文学の新星、乗代雄介がデビュー前から15年以上にわたって書き継いできたブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化。
総数約600編に及ぶ掌編創作群より67編を精選した『創作』、先人たちの言葉を供に、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ『ワインディング・ノート』に書き下ろし小説『虫麻呂雑記』(140枚)を併録。
◆推薦の言葉
『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』は下品極まりないものから唐突にピュアな青春ものまで、どのエチュードも強烈なビートを発しているが、「のりしろ」なる書き手は、少なくとも自分の想像上ではいつも真顔だった。己の技術を誇示したいのでもなく、誰かとつながろうとしているのでもない。ただ“書かずにはおれない”人。本で読める日をずっと待っていました。
髙城晶平(cero)
乗代雄介 (ノリシロユウスケ)
1986年、北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年、『十七八より』で第58回群像新人文学賞受賞。2018年、『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞受賞。2020年、『最高の任務』で第162回芥川賞候補。2021年、『旅する練習』で第164回芥川賞候補、第34回三島由紀夫賞受賞。著書に『十七八より』(2015年/講談社)、『本物の読書家』(2017年/講談社)、『最高の任務』(2020年/講談社)、『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』(2020年/国書刊行会)、『旅する練習』(2021年、講談社)。
◆創作
総数約600に及ぶ掌編「創作」より67編を著者みずから精選!
デビュー以前から書き続けられた、文章による打ち壊し(ラッダイト)の記録。
◆ワインディング・ノート
太宰治、サリンジャー、いがらしみきお、手塚治虫、宮沢賢治、カフカ、細野晴臣、スタインベック、村上春樹、cero、キェルケゴール……先人たちの言葉を供に、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ。
◆虫麻呂雑記
私は書こうとしている。野間文芸新人賞を受けるまでの半年間のこと、偶然出会ったデリヘル嬢を連れて万葉歌人・高橋虫麻呂の足跡をたどる小旅行、移ろう時間と風景、孤独と見ることについて――。書きおろし中編(140枚)。