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光格天皇関係絵図集成
発売日 2020/05/15
判型 A4横変 ISBN 978-4-336-06558-2
ページ数 392 頁 Cコード 0021
定価 22,000円 (本体価格20,000円)
平成の代替わりにも生前譲位の参考とされた
七代前の名君光格天皇にゆかり深い
宮廷儀式関係の画期的な資料集成
平成31年4月30日に天皇陛下が生前譲位された。天皇陛下の生前譲位は第119代光格天皇以来の202年振りのことであった。天皇陛下の生前譲位は、大化改新直前の皇極女帝に始まり光格天皇まで、北朝五代を含めて7割近い例がある。
光格天皇は閑院宮家に生まれて九歳で践祚し、在位中の38年間も譲位後の23年間も、偉大な治績をあげられた稀代の名君である。朝幕関係の転機を導き出したことなど、明治維新の先がけと評価され、また様々な儀式の復興、和歌などの伝統文化を奨励された。
本書は光格天皇にゆかり深い主要な絵巻・屛風絵などを集大成し、各々に詳細な解説を加え、宸筆の書簡・和歌なども収録。江戸後期の宮廷儀式・宮廷社会の実像を具体的に知ることのできる、近世の皇室文化史・日本思想史などの研究にも寄与する画期的な資料集となっている。
所功 (トコロイサオ)
昭和16年(1941)12月、岐阜県生まれ。名古屋大学修士課程修了。昭和41年度から皇學館大学助手・専任講師・助教授(国史学科)。昭和50年度から文部省初等中等教育局教科書調査官(社会科日本史)。昭和56年度から京都産業大学教授(教養部〜法学部・日本文化研究所)。昭和61年9月、法学博士(慶應義塾大学、日本法制文化史)。平成24年度から京都産業大学名誉教授、モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授、皇學館大学特別招聘教授など。ホームページhttp://tokoroisao.jp
【研究書】『平安朝儀式書成立史の研究』『宮廷儀式書成立史の再検討』(以上、国書刊行会)、『三善清行』(吉川弘文館人物叢書)、『菅原道真の実像』(臨川書店)、『年号の歴史』(雄山閣)など。
【校 注】『三代御記逸文集成』『撰集秘記』『建武年中行事』(以上、国書刊行会)、『三善清行の遺文集成』(方丈堂出版)、『西宮記』『北山抄』(以上、神道大系編纂会)など。
【一般書】『伊勢神宮』『日本歴史再考』(以上、講談社学術文庫)、『京都の三大祭』(角川ソフィア文庫)、『日本の年号』(雄山閣)、『国旗・国歌の常識』(東京堂出版)、『皇室に学ぶ徳育』『歴代天皇の実像』(以上、モラロジー研究所)、『「国民の祝日」の由来がわかる小事典』『皇位継承のあり方』(以上、PHP新書)、『皇室典範と女性宮家』(勉誠出版)、『天皇の人生儀礼』(小学館文庫)、『天皇の「まつりごと」』(NHK出版生活人新書)、『象徴天皇「高齢譲位」の真相』(ベスト新書)など。
【共 著】『皇位継承』『元号』(以上、文春新書)、『元号読本』(創元社)。
【編 著】『皇室事典(令和版)』『昭和天皇の大御歌』(以上、角川書店)、『日本年号史大事典』(雄山閣)、『近代大礼関係の基本史料集成』(国書刊行会)など。
【口絵】
①安永九年の『即位礼之図』/②文化十四年の『御即位式図御掛物』/③天明七年の『大嘗会本文御屛風』/④天明七年の『大嘗会和歌御屛風』/⑤寛政二年の『寛政内裏還幸之図』/⑥寛政九年の『御琵琶始之図』/⑦文化十四年の『桜町殿行幸図』/⑧文政七年の『修学院御幸儀仗図絵巻』
序論 光格天皇の経歴と事績(所 功)
【I 絵図篇】
一『御即位次第略解』安永九年 御即位式
二 御元服関係図 安永十年 御元服
三 『寛政新造内裏還幸行列絵図』寛政二年 還幸
四 『天皇御還幸/御行列之図』寛政二年 還幸
五 『新嘗祭神膳行列次第幷図』寛政三年 新嘗祭
六 公卿勅使『宮川川原祓之図』享和元年 参宮
七 『石清水臨時祭御再興図画』文化十年 再興
八 『賀茂臨時祭図巻』文化十一年 再興
九 『桜町殿行幸図』文化十四年 御譲位
◎参考a「禁裏御所絵図」と「仙洞御所絵図」/b「桜町御所之図」と「(行幸)内裏図」/c『旧儀式図画帖』抄 明治三十年
十 『光格上皇修学院御幸儀仗図絵巻』文政七年 御幸
【II 解説篇】(所 功)
1安永九年の『御即位次第略解』
2天明七年の大嘗会御屛風
3寛政二年の新造内裏への還幸行列絵図
4寛政三年の『新嘗祭神膳行列次第幷図』
5享和元年の公卿勅使『宮川川原祓之図』
6「石清水臨時祭」の再興と図画
7「賀茂臨時祭」の成立・変転と祭儀
8文化十四年の譲位式と『桜町殿行幸図』
9『旧儀式図画帖』の光格天皇御譲位関係図抄
10文政七年の『光格上皇修学院御幸儀仗図絵巻』
【III 参考篇】(モラロジー研究所「皇室関係資料文庫」研究員)
(1)『宸翰英華』所載の光格天皇宸筆
(2)光格天皇宸筆「勅題・勅点」資料
(3)宮内省編『光格天皇実録』綱文抄
(4)光格天皇関係の略系図と在世年表
(5)本書の要旨とその英訳
索引/あとがき