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ジャーゲン

ジャーゲン

発売日 2019/10/25

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06540-7

ページ数 495 頁   Cコード 0097

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

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内容紹介

行き掛かりに哀れな悪魔を助けた質屋ジャーゲン。返礼にと突如消された口うるさい妻を、周りに言われてしぶしぶ取り戻す旅に出る。奇想天外摩訶不思議な異世界を、当代一流の口八丁と権謀術数を武器に快進する、愛と冒険の喜劇的ロマンス。

挿絵:フランク・C・パぺ
装画:木原未沙紀
装丁:山田英春

【本文より】
「われわれは一人一人が自身のロマンスの英雄であって、他人のロマンスは理解できないのだ」

「詩は、自分が何者であるかということに対する叛逆だ」

「男が気紛れに思いつくようなことには、温めた葡萄酒一杯ほどの価値もありません」

「人には短いあいだだけの借り物である躰の他に確かな所有物などありません。それでも、人の躰はさまざまな変わった楽しみを享受できるものですよね」

「私はどんな飲み物でも一度は味わってみることにしているのです」


【シリーズ《マニュエル伝》とは】
豚飼いからポアテム国の救世主となったドム・マニュエルを始祖とする23代9世紀にわたる壮大な年代記。夢想の異世界を巡るロマンスをベースとした冒険喜劇で、原書はエッセイや詩を含む全18巻からなる。本シリーズでは特に評価の高い3冊『ジャーゲン』『イヴのことを少し』『土のひとがた』を刊行する。

著者紹介

J・B・キャベル (ジェイムズブランチキャベル)

アメリカの作家、系図作製者。一八七九年ヴァージニア州リッチモンドの名家に生まれる。幼少時から神話・伝説・聖書を耽読し、大学卒業後、新聞記者を経て作家となる。一九〇四年に長編第一作Eagle's Shadowを発表、本書は架空の王国ポアテムを舞台に二十三代九世紀にわたる一大ファンタジイ・シリーズ《マニュエル伝》全十八巻に発展した。その一冊『ジャーゲン』(一九一九)は「不道徳な内容」のため発禁事件を引き起こし、それが話題を呼んで大ベストセラーとなった。他の代表作に『夢想の秘密』(一九一七。邦訳国書刊行会)『土の人形』(一九二一。邦訳国書刊行会近刊)、『イヴのことを少し』(一九二七。邦訳国書刊行会近刊)など。一九二〇年代は「キャベル時代」とも呼ばれるほど批評界から高い評価を獲得、同時代アメリカ文学を代表する作家と目された。一九五八年に死去。その後一時忘れられた作家となったが、一九七〇年代にはリン・カーターやアーシュラ・K・ル=グウィンらの再評価もあり、SF・ファンタジイ作家への広範な影響が指摘されている。

中野善夫 (ナカノヨシオ)

1963年アメリカ合衆国テキサス州生まれ。立教大学理学研究科博士課程修了(理学博士)。英米幻想小説研究翻訳家。主な訳書に、ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス』、ロード・ダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ』、F・マクラウド/W・シャープ『夢のウラド』、J・B・キャベル『ジャーゲン』、J・K・ジェローム『骸骨』(いずれも国書刊行会)など。共訳書に、ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』(河出文庫)、ケネス・モリス『ダフォディルの花』(国書刊行会)などがある。

目次

第  一  章 なぜジャーゲンは男らしいことをしたのか
第  二  章 栄えある服を纏うこと
第  三  章 暁と日の出のあいだの庭
第  四  章 ドロシーには分からなかったこと
第  五  章 パンとバターが要求すること
第  六  章 セリーダが女性であること
第  七  章 水曜日における妥協について
第  八  章 古い玩具と新しい影
第  九  章 伝統に則ったグィネヴィア救出
第  十  章 スラグナルの惨めな変装
第 十一 章 ログレウス公爵現る
第 十二 章 ヨランダの破滅
第 十三 章 ゴギアヴァン・ゴウアの哲学
第 十四 章 ジャーゲン公爵の策略準備
第 十五 章 グラシオンにおける妥協について
第 十六 章 スモイト王のさまざまな厄介事
第 十七 章 時を告げるのが早すぎた雄鶏について
第 十八 章 なぜマーリンは薄明かりの中で語ったか
第 十九 章 奇妙な足をした褐色の男
第 二十 章 祈りの効き目
第二十一章 アナイティスの船旅
第二十二章 二人がヴェールを破ったことについて
第二十三章 ジャーゲン皇子の欠点
第二十四章 コカイン国での妥協について
第二十五章 〈文献学匠〉の呪文
第二十六章 〈時〉の砂時計の中で
第二十七章 忌まわしい情況のヘレネ女王
第二十八章 レウケーでの妥協について
第二十九章 ホルヴェンディルのナンセンスについて
第 三十 章 ジャーゲン王の経済学
第三十一章 シュードポリス陥落
第三十二章 ペリシテ人のさまざまな策略
第三十三章 クローリスとの別れ
第三十四章 皇帝ジャーゲンは地獄で如何に過ごしたか
第三十五章 祖父サタンが語ったこと
第三十六章 なぜコスは反論されたか
第三十七章 美しい吸血鬼の創造
第三十八章 拍手喝采された判例について
第三十九章 地獄での妥協について
第 四十 章 教皇ジャーゲンの昇天
第四十一章 天国での妥協について
第四十二章 絶えずいらいらしている十二使徒
第四十三章 影の前に立つ姿勢
第四十四章 支配人の執務室で
第四十五章 グィネヴィアの信頼
第四十六章 アナイティスの欲望
第四十七章 ヘレネの幻影
第四十八章 リーサ夫人の率直な意見
第四十九章 コシチェイとの妥協について
第 五十 章 この瞬間は重要なものでもなく

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