1. トップページ > 
  2. 芸術・芸能 > 
  3. 日本美術 > 
  4. 金城次郎壺屋時代作品集
  1. トップページ > 
  2. 芸術・芸能 > 
  3. 絵画・画集 > 
  4. 金城次郎壺屋時代作品集

キンジョウジロウツボヤジダイサクヒンシュウ

金城次郎壺屋時代作品集

発売日 2020/07/25

判型 B5判   ISBN 978-4-336-06318-2

ページ数 176 頁   Cコード 0072

定価 4,180円 (本体価格3,800円)

内容紹介

沖縄初の人間国宝として、民藝の美をたゆまぬ仕事のなかで実現した金城次郎。のちに魚の線刻を特徴とする作品で「魚文の次郎さん」として多くのファンをもつことになる彼が、沖縄伝統の技術と技法を受け継ぐ壺屋で作陶した初期作品は、濱田庄司や河井寛次郎ら本土の作陶家からも激賞された。本書では、金城次郎の壺屋時代の作品228点を、窯出しのたびに出向いて直接入手した稀代のコレクションで一挙紹介し、現在の作陶家・愛好家にも学びの手がかりとなる一書となっている。巻末には、各作品の技法や琉球陶器について詳細な解説を付す。

【「緒言」より】
『金城次郎壺屋時代作品集』は、久髙美佐子が1968年から71年を中心に、当時壺屋にあった金城次郎の工房に窯出しのたびに出向いて直接入手した作品を中心に構成されている。作品の作られた時期がきわめて明瞭であり入手経路も確実で、この頃の金城次郎の仕事内容を優品によって網羅しえているといえる。
 金城次郎が戦後すぐに独立してから1960年代前半までの最初期の作品はほとんど入手することができないので、本図録はとくに「壺屋時代」作品集と呼ぶことができ、その時期のもっとも成熟した仕事内容を端的に示すことができるものとなっている。
 一人のコレクターの一貫した美意識による限定された時期における金城次郎の作品の濃密なコレクションとして、強い特徴をもつということは特記しておく必要がある。民藝の美をたゆまない毎日の仕事のなかで実現した金城次郎の功績を伝え、それを学びたいと考える後進のつくり手たちの学びの手がかりとなることを願って本書は刊行されている。
 久髙コレクションは300点に近く、今も当時の作品と明らかにわかるものは入手され続けている。近い将来、金城次郎記念館というべきものの設立によって、そのコレクションが公開されることを切に希望している。

著者紹介

金城次郎 (キンジョウジロウ)

那覇市生まれの陶芸家。国の重要無形文化財「琉球陶器」技能保持者(沖縄県で初の人間国宝)。
那覇市の壺屋の新垣榮徳に学ぶ。濱田庄司、河井寛次郎らにも師事し、1946年に壺屋に自らの工房を開く。琉球陶器の伝統と技術をまもりながら、線彫の魚や海老の模様で独自の作風を築き、1957年国展国画会賞、1969年日本民芸館賞など数々の受賞でその名を馳せた。1960年琉球陶器で人間国宝。

久髙民藝店 (クダカミンゲイテン)

沖縄県那覇市にある老舗民藝店。陶工・金城次郎の初期作品コレクションを有する。

松井健 (マツイタケシ)

東京大学名誉教授。1949年大阪生まれ。
人類学専攻。近年は工芸についてのフィールドワークと、民藝、柳宗悦の研究を重点的におこなう。2015年、沖縄県南城市にプリミティヴ・アートとエスニック・ジュエリーのギャラリー「杜 ぐすく」を開く。
民藝関係の主な著書に、『柳宗悦と民藝の現在』 (吉川弘文館、2005年)、『民藝の擁護―基点としての〈柳宗悦〉』(里文出版、2014年)、『金城次郎とヤチムンー民藝を生きた沖縄の陶工』(榕樹書林、2016年)などがある。

大屋孝雄 (オオヤタカオ)

写真家。1955年東京都生まれ。
写真を担当した主な書籍に、『東北の伝承切り紙 (コロナ・ブックス)』(平凡社、2012年)、『民芸とMingei』(晶文社、2014年)、『いにしえの祈りのかたち 四国の仏像』(淡交社、2016年)など多数。

目次

【作品集】

酒の器(嘉瓶・徳利・カラカラ・抱瓶・ぐい呑)
華の器(花瓶・角瓶・花生)
食の器(皿・鉢・マカイ・箸置)
台所の雑器(油壺・蓋壺・蓋物)
茶の器と文具(茶盌・按瓶・茶壺・土瓶・急須・湯呑・香盒・水滴・コーヒーカップ・灰皿)
祭器(厨子甕・高坏・角鉢・骨壺・燭台)



久髙コレクションの金城次郎 松井 健
収録作品一覧および解説 久髙美佐子/松井 健
金城次郎略年譜

ページトップへ