アルヴァ・アアルト
アルヴァ・アアルト
もうひとつの自然
発売日 2018/10/25
判型 B5変型判 ISBN 978-4-336-06289-5
Cコード 0052
定価 4,180円 (本体価格3,800円)
モダニズムに自然の要素を取り入れ、人々の暮らしをより良くする建築や家具デザインなどを追求した、フィンランドが生んだ20世紀を代表する建築家アルヴァ・アアルト(1898-1976)。建築における有機的な形態と素材の優れた相互作用を体現したパイミオのサナトリウム(1933)やマイレア邸(1939)、近代家具の展開に画期的な役割を果たした《アームチェア 41 パイミオ》(1932)や《スツール 60》(1933)、フィンランド・デザインのシンボルになっているガラス器《サヴォイ・ベース》(1936)など、その多彩なる活動を、300点に及ぶオリジナル図面や写真でたどる。
日本の建築家3名(坂茂、藤本壮介、堀部安嗣)の、アアルトに関するインタビュー・講演録を特別収録。コラムや、アアルトと日本との関わりを追ったエッセイも収録した充実の一書。同名の国際巡回展日本展の公式図録。
和田菜穂子 (わだなほこ)
建築史家。
再生の起点―「もうひとつの自然」を求めて[ 水沢 勉]
ごあいさつ[マーク・ツェントナー、マテオ・クリース]
ごあいさつ[トンミ・リンダ]
アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然
[ヨッヘン・アイゼンブラント]
第1章 選択的親和力 Elective Affinities
トイヴァッカの教会/ヤムサの教会/ユヴァスキュラの墓地礼拝堂/ムーラメの教会
(コラム)「北のフィレンツェ」を目指して―ユヴァスキュラの労働者会館[ 和田菜穂子]
(コラム)アアルトの足跡を辿る旅―ユヴァスキュラ、サゥナッツァロほか[ 和田菜穂子]
第2章 多感覚的空間 Multisensory Spaces
南西フィンランド農業協同組合ビル/スオメン・ビオグラフィ(フィンランド・シネマ)/トゥルン・サノマット新聞社/トゥルク市700周年記念 第3回フィンランド博覧会の会場デザイン/演劇「S.O.S. 」の舞台装置/アイノ・アアルトによる、またはアアルト夫妻に関する写真/パイミオのサナトリウム/ヴィープリ(ヴィーボルク)の図書館
(コラム)建築家アイノ・アアルト[ 和田菜穂子]
(コラム)ヴィーボルク市立図書館(ヴィープリの図書館)の歴史[ 籾山昌夫]
第3章 芸術と生活 Art and Life
ジャン・アルプ/フェルナン・レジェ/アルヴァ・アアルトと曲げ木/マイレア邸/ルイ・カレ邸/ヴェネツィア・ビエンナーレのフィンランド館
第4章 より良いものを毎日の生活に Better Things for Everyday Life
椅子、スツールなど/自在な形/ニューヨーク万国博覧会フィンランド館/融通性のある規格化と再構築/規格化住宅/ロヴァニエミの復興計画案/照明―合理性と人間性
(コラム)新たなスタンダードを打ち立てたアアルト家具[ 林 アンニ]
(コラム)アートとテクノロジーの力を社名に込めたアルテック[ 林 アンニ]
(コラム)アアルト設計の規格化住宅「A.A.システム」に見え隠れするもの[ 松本 淳]
(コラム)アアルトのまちづくり―ロヴァニエミの市民センター[ 和田菜穂子]
第5章 総合的建築 An Architecture of Synthesis
スニラ・パルプ工場と住宅地区/アヴェスタの市民センター/ベーカーハウス学生寮(マサチューセッツ工科大学)/サゥナッツァロのタウンホール/アアルトの夏の家( 実験住宅)/建築部材、サンプル/文化の家/国民年金局/ハンザフィアテルの集合住宅/ヴォクセンニスカの三つ十字の教会/バグダッドの美術館/セイナヨキの市民センター/ヴォルフスブルクの文化センター/ヴォルフスブルクの聖霊教会/フィンランディア・ホール/リオラの教会および教区センター/シラーズの美術館
(コラム)自然環境に編み込まれた秩序―ヘルシンキ工科大学( 現アアルト大学)[ 垣野義典]
(コラム)アアルトの鼻歌―サウナ建築[ 鷹野 敦]
(コラム)アアルト建築の生み出される場―自邸とスタジオ[ 中村暁子]
(コラム)光が織りなす芸術空間―オールボーの美術館[ 和田菜穂子]
◆論文
アアルトと日本[ 和田菜穂子]
芦原義信とフィンランド、そしてアルヴァ・アアルト[三宅理一]
◆インタビュー・講演録
[坂 茂 インタビュー]アルヴァ・アアルトの設計手法に見られる「融通性のある規格化」について
[藤本壮介 インタビュー]藤本壮介とアアルトの森のような建築
[堀部安嗣 講演録]アルヴァ・アアルトの建築が伝えるもの
アルヴァ・アアルト略年譜
フィンランド地図
建築・プロジェクトリスト 1919-75
主要参考文献
作品リスト
Starting Points for Regeneration: In Pursuit of “Second Nature”[Tsutomu Mizusawa]
Foreword[ Marc Zehntner and Mateo Kries ]
Foreword[ Tommi Lindh]
Alvar Aalto – Second Nature[Jochen Eisenbrand]
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