エラリー・クイーン スイリノゲイジュツ
エラリー・クイーン 推理の芸術
発売日 2016/11/24
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-06102-7
ページ数 576 頁 Cコード 0098
定価 3,960円 (本体価格3,600円)
1929年、『ローマ帽子の謎』でデビュー、「読者への挑戦」を掲げた本格ミステリ〈国名シリーズ〉で人気を博したエラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家だった。二人はバーナビー・ロスの別名義で『Xの悲劇』以下の四部作を発表、さらにミステリ専門誌《EQMM》を創刊、ラジオ・TVにも進出し、40年以上にわたって数々の名作を送り出し、「アメリカの探偵小説そのもの」と評された。
本書はクイーン研究の第一人者が資料や関係者証言を収集し、偉大なミステリ作家のデビューから晩年までの軌跡をたどったエラリー・クイーン伝の決定版である。前著『エラリイ・クイーンの世界』を大幅改訂増補、激しい応酬が展開された合作の内幕をはじめ、代作者問題、60年代に量産されたペイパーバック・オリジナル等、初めて明らかとなる新情報を盛り込んだファン必読の評伝。詳細な書誌・邦訳リストなど資料も充実。図版多数。
「これは、今だから明かせる情報の多く加わった、クイーンへの、そして、ミステリへの思いのこもった、確かな《愛》の書である」(北村薫)
フランシス・M・ネヴィンズ (フランシス・ネヴィンズ)
1943年生まれ。アメリカのミステリ作家・研究家・アンソロジスト。ニューヨーク大学卒業。元セントルイス法科大学教授。『エラリイ・クイーンの世界』(1974)でエドガー特別賞、『コーネル・ウールリッチの生涯』(1988)でMWA最優秀評伝・評論賞を受賞。『120時間の時計』(1986)ほか数篇の長篇ミステリと短篇がある。(以上、邦訳早川書房)
飯城勇三 (イイキユウサン)
1959年生まれ。東京理科大学卒業。エラリー・クイーン研究の第一人者。著書に『エラリー・クイーン論』『エラリー・クイーンの騎士たち』(論創社)、『本格ミステリ戯作三昧』(南雲堂、本格ミステリ大賞受賞)、編著に『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)、訳書にエラリー・クイーン『間違いの悲劇』(創元推理文庫)、フランシス・M・ネヴィンズ『エラリー・クイーン 推理の芸術』(国書刊行会)など。
序
第1章 ブルックリン従兄弟の謎
第2章 エラリー一号登場
第3章 豊穣の年
第4章 長篇、短篇、そして雑誌
第5章 エラリー一号退場
第6章 新生EQ
第7章 どのようにして彼らはやってのけたのか?
第8章 エラリー電波を支配する
第9章 ソフトカバーとセルロイド
第10章 実り豊かな収穫の年
第11章 電波に還る
第12章 スミスという男
第13章 タイプライターの上の新しい血
第14章 最後の三十分
第15章 神は死に、猫が来るとき
第16章 カレンダーとキングたち
第17章 黄金と緋色とガラス
第18章 第三期の黄昏
第19章 アト・ランダム
第20章 幽霊(ゴースト)が忍び込む
第21章 幽霊(ゴースト)が増えていく
第22章 従兄弟たちに別れが訪れる
第23章 エラリーの時代の終わり
付録1 《EQMM》――ダネイの歳月
付録2 フレッド・ダネイと働いて遊んで
エラリー・クイーン書誌