1. トップページ > 
  2. 海外文学 > 
  3. 幻想文学 > 
  4. 狂気の巡礼

キョウキノジュンレイ

狂気の巡礼

発売日 2016/09/20

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06074-7

ページ数 336 頁   Cコード 0097

定価 2,970円 (本体価格2,700円)

内容紹介

日常に侵された脳髄を搔きくすぐる、名状しがたい幻視と惑乱。冥境から降り来たる歪形の奇想。ありふれた想像を凌駕する超越的感覚と神経症的筆致で描く14の短篇。〈ポーランドのラヴクラフト〉による類なき怪奇幻想小説、待望の邦訳。

壁が包囲する入口のない庭園。漂う薔薇の芳香には、ある特別な《におい》が混じっていた。「薔薇の丘にて」
神経科医のもとへ診察を受けに訪れた精神病理学者の妻。彼女が打ち明けた夫の驚くべき秘密とは?「チェラヴァの問題」
筆を折り蟄居する作家を見つめる無人の向かい家からの不穏な視線。著者の自画像ともいうべき怪作。「領域」

装幀:小林剛 装画:榮真菜 

著者紹介

ステファン・グラビンスキ (ステファングラビンスキ)

1887年、オーストリア=ハンガリー帝国領ガリツィア・ロドメリア王国のカミョンカ・ストルミウォーヴァに生まれる。ルヴフ大学でポーランド文学と古典文献学を学び、在学中に作家デビューするが、卒業後は教職に就く。1918年に短編集『薔薇の丘』、1919年に連作短編集『動きの悪魔』を発表し注目を浴びる。短篇を本領とし、『狂気の巡礼』『不気味な物語』『火の書』『情熱』といった短編集を次々と出版した。ポーランド文学史上ほぼ唯一の恐怖小説ジャンルの古典的作家。1936年に死去。近年、国内外で再評価が進み、〈ポーランドのポー〉〈ポーランドのラヴクラフト〉として知られる。

芝田文乃 (シバタアヤノ)

1964年、神奈川県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家。訳書にスワヴォーミル・ムロージェク『所長』『鰐の涙』(以上未知谷)、スタニスワフ・レム『地球の平和』、ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』『狂気の巡礼』『火の書』『不気味な物語』(以上国書刊行会)、ヴィトルト・シャブウォフスキ『踊る熊たち』『独裁者の料理人』(以上白水社)、共訳書にスタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』『短篇ベスト10』『火星からの来訪者』、レシェク・コワコフスキ『ライロニア国物語』(以上国書刊行会)などがある。

目次

薔薇の丘にて
 薔薇の丘にて
 狂気の農園
 接線に沿って
 斜視
 影
 海辺の別荘にて

狂気の巡礼
 灰色の部屋
 夜の宿り
 兆し
 チェラヴァの問題
 サトゥルニン・セクトル
 大鴉
 煙の集落
 領域
 
  訳者あとがき

狂気の巡礼


*品切増刷未定

同じ著者・訳者の作品

捜査・浴槽で発見された手記

英国各地で起こる死体消失事件の捜査は難航を極める……メタ推理小説『捜査』、地球文…

『金星応答なし』に5年ほど先立つ、レムの本当のデビュー作とも言うべき本格的SF中…

地球上の軍備を月に移し、軍拡競争をAI任せにした人類であったが、月面での兵器の進…


>> もっと見る

ページトップへ