サラバ、シェヘラザード
さらば、シェヘラザード
発売日 2018/06/22
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-06060-0
ページ数 332 頁 Cコード 0397
定価 2,640円 (本体価格2,400円)
「厖大なウェストレイク作品の中にかなり変な作品があるらしい」
「ミステリではなく普通小説、いやポルノ小説、しかもメタフィクション!?」
……謎が謎を呼ぶ、伝説の怪作がついに登場!
〈悪党パーカー〉シリーズや数々のコメディ・ミステリで知られる
巨匠ウェストレイクによる爆笑の半自伝的実験小説。
〈ウェストレイク全作品の中でも大傑作に属する、私小説にしてメタメタフィクション!〉若島正
ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない(そして小説は延々と1章25ページが繰り返される!)。ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもよらないトラブルに巻き込まれることになる……リチャード・スターク名義の〈悪党パーカー〉シリーズや〈泥棒ドートマンダー〉シリーズでおなじみのコメディ・ミステリの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説がついに邦訳!(1970年作)
ドナルド・E・ウェストレイク (ドナルドウェストレイク)
1933年ニューヨーク州ブルックリン生まれ。十代の頃から創作を始め、様々なジャンル作品を出版社に投稿、54年に初めてSF短篇が掲載される。大学入学後、空軍に入隊、復学を経て出版社に勤務しながらポルノ小説等を執筆、60年に『やとわれた男』でミステリ作家デビュー。多くのペンネームで百作を超える長篇を発表、コメディ・ミステリ、ハードボイルドの名手として活躍する。代表作に〈泥棒ドートマンダー〉シリーズ、リチャード・スターク名義の〈悪党パーカー〉シリーズがある。『我輩はカモである』(1967)でMWA最優秀長篇賞、93年には同巨匠賞も受賞。2008年逝去。
矢口誠 (ヤグチマコト)
1962年生まれ。慶應義塾大学国文科卒。翻訳家。主な訳書にファウアー『数学的にありえない』(文藝春秋)、バリンジャー『煙で描いた肖像画』(創元推理文庫)、ウェストレイク『アルカード城の殺人』(扶桑社ミステリー)、『レイ・ハリーハウゼン大全』(河出書房新社)、バーンスタイン『メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロード』(玄光社)、デイヴィス『虚構の男』(国書刊行会)などがある。
若島正 (ワカシマタダシ)
1952年生まれ。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書に『乱視読者の英米短篇講義』(研究社)、『乱視読者の帰還』(みすず書房)、訳書にナボコフ『透明な対象』(国書刊行会、共訳)、パワーズ『ガラテイア2.2』(みすず書房)、スタージョン『海を失った男』(晶文社、編訳)など。
横山茂雄 (ヨコヤマシゲオ)
1954年大阪府生まれ。別名:稲生平太郎・法水金太郎。京都大学文学部卒、博士(文学)。英文学者、作家。横山名義の著書に『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(書肆風の薔薇/増補版:創元社)『異形のテクスト 英国 ロマンティック・ノヴェルの系譜』(国書刊行会)、『神の聖なる天使たち ジョン・ディーの精霊召喚一五八一~一六〇七』(研究社)、訳書にマーヴィン・ピーク『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』、ヒレア・ベロック『子供のための教訓詩集』、ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(北川依子と共訳)、ウィリアム・フライアー・ハーヴィー『五本指のけだもの』(いずれも国書刊行会)、編著に『遠野物語の周辺』(国書刊行会)、『危ない食卓 十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社)など。稲生名義の著書に『何かが空を飛んでいる』(新人物往来社/定本版:国書刊行会)、『アクアリウムの夜』(書肆風の薔薇/角川スニーカー文庫)『アムネジア』(角川書店)、『映画の生体解剖』(高橋洋と共著、洋泉社)、『オカルトがなぜ悪い!』(井村宏次・吉永進一と共著、ビイング・ネット・プレス)など。