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チェコスロヴァキアヌーヴェルヴァーグ

チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ

発売日 2017/10/25

判型 B5変型判   ISBN 978-4-336-05994-9

ページ数 128 頁   Cコード 0074

定価 1,980円 (本体価格1,800円)

内容紹介

1950年代の政治的な抑圧がやわらぎ、自由化の大きな波が訪れた1960年代。この時代、新世代の監督が多数輩出され、彼らは互いに協力し合うことで豊かな創作環境を築きあげ、そこから生まれた作品は国際的に高く評価された。この「黄金の60年代」に生まれた映画たち――「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」。

国際的に高く評価されながらもわが国ではなかなか注目されることのなかった、「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」と総称される傑作・秀作の数々を紹介、また、ヤン・ニェメツ、ヴェラ・ヒティロヴァー、ヤロミル・イレシュ、イジー・メンツェル、ミロシュ・フォルマン、ユライ・ヘルツなどへのインタヴューや、「検閲システム」、「国立大学映画学部が果たした役割」など当時のチェコ映画界を知るための貴重な情報も満載した、「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」映画祭公式本。

小泉今日子(女優)
「いつの世も女の子達は心の中で小さな反乱を起こす。そして颯爽と、悪戯に、スカートを揺らして街を歩くのだ! 1966年に製作された『ひなぎく』と私は同じ年。51歳になった私はもう女の子ではないけれど、今を生きる女の子達にも勇気と元気と反乱を胸に、颯爽と世の中を闊歩して欲しいと願っています。」(『ひなぎく』へのコメント)

岡崎京子(マンガ家)
「2人の女の子。2人はこの世の無用の長物で余計ものである。そのことを2人は良く分かっている。役に立たない無力な少女達。だからこそ彼女達は笑う。おしゃれする、お化粧する、男達をだます、走る、ダンスする。遊ぶことだけが彼女達にできること。愉快なばか騒ぎと絶対に本当のことを言わないこと。それが彼女達の戦闘手段。やつらを「ぎゃふん」と言わせるための。死ネ死ネ死ネ死ネ!分かってるよ。私達だって「生きて」いるのよ。」(『ひなぎく』へのコメント)

野宮真貴(ミュージシャン)
「この映画のふたりの女の子は何だか涙が出るほど自由に生きている。可愛い服を着て、おいしいものをご馳走してもらって、ダンスをして、いつも笑って…。「ひなぎく」ほど悲しいくらい美しい映画は他にはないと思う。」(『ひなぎく』へのコメント)

鴻上尚史(劇作家・演出家)
「彼女達は、無敵である。若く、美しく、スタイルがよく、センスがいい二人の女性に誰が勝つことができよう。だが、無敵である一番の理由は、彼女二人を、誰も理解していないことである。無敵であることの、なんと華やかなことか。そして、なんと淋しいことか。」(『ひなぎく』へのコメント)

周防正行(映画監督)
「とりあえず歴史的、政治的に読み解くことを禁じてみよう。映っているのは「空気」だ。「空気」の映っている映画は面白い。ただし、見た者に問われるのは、その「空気」をどう吸って、どう吐くかだ。今という時代に。」(『パーティーと招待客』へのコメント)

松尾貴史(俳優)
「冒頭ののどかなムードからは、20年もの長い間、国家によって鑑賞することを禁じられていた理由がわかりませんでした。知らず知らずの内、権力に迎合していくさまは恐怖ですが、この異国の作品の画面よりも私たちの住むこの国の方が深刻かもしれません。この作品は、50年も前にその事を示唆してくれていたのです。」(『パーティーと招待客』へのコメント)

目次

【作品解説】
『ひなぎく』『これが人生』『土曜から日曜へ』『鳩(白い鳩)』『ロミオ、ジュリエット、闇』『天井』『袋いっぱいの蚤』『網の中の太陽』『叫び』『違う何か(もう一つの生き方)』『コンクール』『黒いペトル』『支えがほしい(ヨゼフ・キリアン)』『猫に裁かれる人たち』『夜のダイヤモンド』『大通りの商店』『親密な灯り』『ブロンドの恋』『水底の小さな真珠』『少年院』『プラハのためのオラトリオ』『火事だよ!カワイ子ちゃん(消防士の舞踏会)』『狂気のクロニクル』『パーティーと招待客』『厳重に監視された列車』『気まぐれな夏』『ホテル・オゾンでの八月の終わり』『放蕩息子の帰還』『ホモルカを見よ』『愛の殉教者たち』『マルケータ・ラザロヴァー』『322』『火葬人』『鳥と孤児と阿呆』『すべての善良なる同胞』『つながれたヒバリ』『植物園での祝典』『楽園の果実を食べて』『アデライド』『ヴァレリエと不思議な1週間(闇のバイブル/聖少女の詩)』『悪魔技師の殺人』『冗談(受難のジョーク)』『耳』『抹殺された日曜日』『新入りの死刑執行人のための事件』

【コメント】
『ひなぎく』(小泉今日子、岡崎京子、矢川澄子、野宮真貴、鴻上尚史、ヴィヴィアン佐藤、まつゆう*、真魚八重子)
『パーティーと招待客』(周防正行、松尾貴史、中条省平)
『愛の殉教者たち』(岡田利規、門間雄介)

【談話】
ヴィエラ・ヒチロヴァー/ペトル・ホリー/シュテファン・ウヘル/ヤロミル・イレシュ/ヴィエラ・ヒチロヴァー/ミロシュ・フォルマン/パヴェル・ユラーチェク/ヴォイチェフ・ヤスニー/ヤン・ニェメツ/ミロシュ・フォルマン/イジー・ブルデチュカ/イジー・メンツル/フランチシェク・ヴラーチル/ユライ・ヤクビスコ/エステル・クルンバホヴァー

チェコとスロヴァキアの映画①その誕生から第二次世界大戦期まで(遠山純生)
チェコとスロヴァキアの映画②第二次世界大戦終結から「雪解け」期まで(遠山純生)
チェコとスロヴァキアの映画③「新しい波」 第一波(遠山純生)
チェコとスロヴァキアの映画④「新しい波」 第二波(遠山純生)
チェコとスロヴァキアの映画⑤「プラハの春」と「チェコ事件」(遠山純生)
チェコとスロヴァキアの映画⑥「正常化」以降(遠山純生)

【コラム】
チェコ軍映画スタジオ(富重聡子)
クリエイティヴ・ユニット(富重聡子)
チェコ演劇とチェコスロヴァキア・ヌーヴェル・ヴァーグ(ペトル・ホリー)
イジー・ブルデチュカの脚本とアニメーション(くまがいマキ)
チェコスロヴァキア・ヌーヴェル・ヴァーグまでのチェコの映画音楽小史(ペトル・ホリー)
束の間のマジック――チェコ・ヌーヴェル・ヴァーグと作家たち(阿部賢一)
粕三平とチェコ映画(くまがいマキ)
「正常化」以後(富重聡子)
チェコとFAMU精神がミャンマー映画にもたらすもの(清恵子)

テリー・ポスター(60年代チェコスロヴァキアのポスター)
ルカーシュ・スクパ氏へのインタビュー(1960年代のチェコスロヴァキアにおける映画検閲)
パヴェル・クルサーク氏へのインタビュー(映画検閲、映画音楽について)
パヴェル・イラス氏へのインタヴュー(バランドフ・スタジオ訪問)
シュヴァンクマイエルが語る検閲
ユライ・ヘルツ監督へのインタビュー
関連書籍・DVD
映画祭情報
チェコスロヴァキア年表
関連人物名鑑



【お詫び】
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