マボロシノモダニスト
幻のモダニスト
写真家 堀野正雄の世界
発売日 2012/03/07
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05476-0
ページ数 354 頁 Cコード 0072
定価 3,850円 (本体価格3,500円)
堀野正雄(1907-1998)は新興写真の旗手として、日本の近代写真の成立と展開を語る上で欠かすことのできない写真家として名前は知られているが、その実際の活動の検証と評価、位置づけはこれまで不十分なものだった。しかし近年、写真史はもとよりデザイン史やメディア史の若い研究者たちが強い関心を寄せており、その研究の成果も見えはじめてきた。
本書は幻といってよい堀野正雄の仕事の全体像を初めて明らかにすることによって、1930年代を中心とする写真史にあらたなヴィジョンを構築するものである。1920年代の築地小劇場を中心とする舞台写真やポートレイト、舞踏家の写真にはじまり、写真集『カメラ・眼×鉄・構成』、『犯罪科学』誌を中心とするグラフ・モンタージュ、『NIPPON』や『主婦之友』などの雑誌に発表した報道写真など、戦前の堀野正雄の活動を、遺族の所有するオリジナル・プリント約200点を中心に、関係資料、論考などで堀野正雄の軌跡を一望。日本写真史に重要な位置を占める堀野の全貌を明らかにする初めての書籍であると同時に、若い世代にも注目されているそのモダニズムの感覚を十二分に味わうことができるだろう。
東京都写真美術館 (トウキョウトシャシンビジュツカン)
序 東京都写真美術館
第一部 築地小劇場と新興舞踊
第二部 写真実験への挑戦――『カメラ・眼×鉄・構成』
第三部 写真実験の展開――グラフ・モンタージュの世界
第四部 近代日本
第五部 女性美の探究
第六部 大陸へ
*論考*
評伝・堀野正雄 金子隆一
1930年前後の前衛的芸術潮流における堀野正雄の位置 谷口英理
女性美から大陸への道程 戸田昌子
堀野正雄年譜
堀野正雄関係書誌一覧
掲載作品リスト
論文英訳