ポルノグラファー
ポルノグラファー
発売日 2011/12/19
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-05438-8
ページ数 328 頁 Cコード C0097
定価 2,640円 (本体価格2,400円)
ポルノ小説の執筆で生計を立てる僕は、ある晩、ダンスホールで出会った女性と一夜を共にし、恋愛感情もないまま関係を続け妊娠させてしまう。現実に向き合おうとせず、関係を断とうと女性に対して冷淡な態度で接するいっぽう、幼い頃から自分を育ててくれた最愛の伯母は不治の病に体をむしばまれていた。そんななか、伯母の入院している病院の看護婦と偶然ダンスホールで出くわし、僕は魅力的な彼女に心を動かされる。愛と欲望、生と死が複雑にからみあうこの世界で僕が行き着く先は――アイルランドを代表する作家の中期の代表作。
ジョン・マクガハン (ジョンマクガハン)
1934年アイルランドのダブリンに、警察官の父と小学校教諭の母との間に生まれる。大学を卒業後、小学校教員となる。1963年The Barracksで作家としてデビュー。1965年の第二作『青い夕闇』が発禁処分を受け、教員の職を失い、ロンドンに出て、臨時教員や建築現場の労働者として働く。スペイン、アメリカなどを転々としたすえ、1970年にアイルランドに帰国、再び小説の執筆を始める。『女たちのなかで』(1990)でアイリッシュ・タイムズ賞などを受賞、またイギリスのブッカー賞の候補作にもなった。現代アイルランドを代表する作家の一人である。2006年死去。
豊田淳 (トヨダジュン)
1956年静岡県生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒。1980年から37年間、神奈川県の公立高校で教鞭を執る。現在、関東学院大学講師。小説に、『彼女はそこに立っていた』(文芸社、2002)(ペンネーム、ジュン・レモン)、訳書に、ジョン・マクガハン『男の事情 女の事情』(国書刊行会、2004、共訳)、『ポルノグラファー』(国書刊行会、2011)、『教師人生』(国書刊行会、2019)がある。