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ニホンノコンポンモンダイ

日本の根本問題

発売日 2019/07/23

判型 A5判   ISBN 978-4-336-05398-5

ページ数 876 頁   Cコード 0310

定価 8,580円 (本体価格7,800円)

内容紹介

古代日本人の霊魂観を縄文の森の生態系の中に見る著者は、従来の古代史の扱い方に疑問を呈し、歴史が科学ではなく、さらに歴史と神話の異なる所以をも説いた。歴史は人間に解釈の自由を許すが、神話は不可知の根源世界で、全体として一つであり、人間の手による分解と再生を許さない。この点を大悟徹底していない処に現代人の迷いがあり、残念乍ら皇室も同じ迷いを共有している、と指摘する。歴史と科学、神話と歴史、憲法について、ご皇室の困難と苦悩、日本人は何に躓いたか、追補3編など。

著者紹介

西尾幹二 (ニシオカンジ)

評論家。電気通信大学名誉教授。1935年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業。同大学院文学修士。文学博士。ドイツ文学者。ニーチェ、ショーペンハウアーの研究、翻訳をはじめ、文学、教育、社会、政治、国際問題等幅広く評論活動を行っている。最近では反原発を明確に打ち出し、人類の生命維持から訴えかける論点が注目されている。

目次

序に代えて 「かのようにの哲学」が示す知恵
Ⅰ 歴史と科学
『歴史と科学』(二〇〇一年十月刊)
第一章
歴史と自然
1 日本文化の背後にある縄文文化
2 原理主義を欠く原理を持つ日本人
3 森の生態系の中で熟成した自然観
4 世界四大文明に匹敵する「縄文土器文明」
5 インドの叡智に魅了された「森の住人」たち
6 原罪としての自然科学
第二章
歴史と科学
1 科学と「人間的あいまいさ」の関係
2 自然科学は現代人の神である
3 科学は発展したが「真理」からは遠ざかった
4 科学から歴史を守れ
第三章
古代史の扱い方への疑問
1 砂漠の文化の基準で森の文化は測れない
2 歴史学は科学に偏りすぎてはいけない
3 「二重構造モデル」の重大な過誤
4 大陸文化と対峙する日本文化
5 歴史は知的構築物にほかならない
あとがき
参考文献

Ⅱ 神話と歴史
「自己本位」の世界像を描けない日本人
危機に立つ神話
森首相「神の国」発言から根本問題を考える
古代日本は国家であり文明圏でもあった
大陸とは縁の遠い日本文明
知識思想世界のパラダイム

Ⅲ 憲法について
改正新憲法 前文私案
「改憲論」への深い絶望――参議院憲法調査会における参考人意見陳述
このままでは「化け猫」が出てくる

Ⅳ ご皇室の困難と苦悩
1 皇位継承問題を考える
  一 皇室の「敵」を先に念頭に置け
  二  「かのようにの哲学」が示す知恵(二〇〇六年四月・本巻「序に代えて」に掲載)
2 『皇太子さまへの御忠言』(二〇〇八年九月刊)
まえがき
第一章 敢えて御忠言申し上げます
第二章 根底にあるのは日本人の宗教観
第三章 天皇は国民共同体の中心
第四章 昭和天皇と日本の歴史の連続性
「WiLL」連載で言い残したこと――あとがきに代えて
主要参考文献
3  「弱いアメリカ」と「皇室の危機」
「弱いアメリカ」と「皇室の危機」(二〇〇九年)
危機に立つ日本の保守
『「権力の不在」は国を滅ぼす』の「あとがき」(二〇〇九年)
天皇陛下はご心痛をお洩らしになった(二〇〇八年十二月)
4 皇族にとって「自由」とは何か
「雅子妃問題」の核心――ご病気の正体(二〇一一年)
背後にいる小和田恆氏(二〇一二年)
正田家と小和田家は皇室といかに向き合ったか(二〇一二年)
天皇陛下に「御聖断」を(二〇一二年)
おびやかされる皇太子殿下の無垢なる魂(二〇一三年)
皇后陛下讃(二〇〇九年)
5 今上陛下と政治
歴史が痛い! (二〇一七年十月、ブログ発信)
沈黙する保守 取りすがるリベラル――インタビュー記事
陛下、あまねく国民に平安をお与えください――あの戦争は何であったのかを問い続けて――二〇一八年十二月十三日(靖國神社創立一五〇年 英霊と天皇御親拝)――
日本人は自立した国の姿を取り戻せ(二〇一九年三月一日)
6 令和時代がはじまるに当って
回転する独楽の動かぬ心棒に――新しい天皇陛下に申し上げたいこと(二〇一九年三月一日)

Ⅴ 日本人は何に躓いていたのか(二〇〇四年十一月刊)
序章 日本人が忘れていた自信
第一章 外交――日本への悪意を知る
第二章 防衛――冬眠からの目覚め
第三章 歴史――あくまで自己を主軸に
第四章 教育――本当の自由とは何か
第五章 社会――羞恥心を取り戻す
第六章 政治――広く人材を野に拾う
第七章 経済――お手本を外国に求めない

追補一
平田文昭・西尾幹二対談 保守の怒り(抄)
追補二
竹田恒泰・西尾幹二対談 女系天皇容認の古代史学者田中卓氏の神話観を疑う
追補三
国の壊れる音を聴け――西尾幹二論  加藤康男

後記

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