カテイ
過程
発売日 2010/10/25
判型 四六判 ISBN 978-4-336-05279-7
ページ数 330 頁 Cコード 0097
定価 2,750円 (本体価格2,500円)
人間の創造とそれに伴う危険。最初に聖書の<創世記>が引用され、次に中世のラビが王に頼まれて泥からゴーレムをつくる物語、最後に現代社会で無機物から生命体の創造に成功した科学者の数奇な運命が語られる。物語の背後にカフカの存在がほのめかされ、読者をもうひとつの物語へといざなう幻想的長篇。
ハリー・ムリシュ (ハリームリシュ)
ハリー・ムリシュ(Harry Kurt Victor Mulisch)…1927年7月29日、ハーレム生まれ。2010年10月30日没。デビュー作Archibald Strohalm(アーヒバルト・ストローハルム)でライナ・プリンセン・ヘールリフス賞を受賞。〈追想のかなた〉として映画化され、アカデミー外国語映画賞を受賞したDe aanslag(襲撃)、900ページの大作『天国の発見』等で世界的に知られる。オランダで最も偉大な作家の一人で十三冊の小説の他、詩集や戯曲等、多数の著作。1977年には全著作にP.C.ホーフト賞が送られ、本作品では1999年にリブリス文学賞を受賞。2001年に発表されたヒトラーを題材にしたSiegfried(ジークフリート)が最後の小説。以後も社会の動向に注目し、精力的にメディアに登場。オランダ王国の受勲者で、海外でも多くの賞を受賞。2007年には『天国の発見』が〈史上最も優れたオランダの小説〉に選ばれる。
長山さき (ナガヤマサキ)
長山さき(Saki Nagayama)…1963年1月6日、神戸生まれ。関西学院大学大学院文学部修士課程修了。文化人類学を学ぶ。1987年、オランダ政府奨学生としてライデン大学に留学。以後、オランダに暮らす。訳書に『天国の発見』(上下、バジリコ)、『ヨーロッパの100年』(上下、徳間書店)などがある。アムステルダム在住。
証文A 話すこと
第一文書 人間
第二文書 登場人物
第三文書 ゴーレム
第四文書 ヴィクトル・ウェルカー
証文B 情報提供者
第五文書 最初の手紙
第六文書 二番目の手紙
第七文書 三番目の手紙
証文C 会話
第八文書 夕刻
第九文書 夜
第十文書 朝
第十一文書 昼
第十二文書 約束
あとがき