ホウロウシャメルモス
放浪者メルモス 下
発売日
判型 四六判 ISBN 978-4-336-02517-3
ページ数 552 頁
定価 2,860円 (本体価格2,600円)
アイルランドの畸人マチューリンが残したこの作品、ロマン主義的な情念、善と悪、聖と俗との恐るべき混沌に満ちたこの作品こそ、半世紀にわたるゴシック・ロマンスの熱風の最後を飾る嵐である。
C・R・マチューリン (チャールズロバートマチューリン)
小説家、劇作家。1782年アイルランドのダブリンに生まれ、1824年ダブリンに没す。ダブリンのトリニティ・カレッジを卒業後、牧師となる。1807年、処女作『運命の復讐、モントリオ一族』を出版、ウォルター・スコットに称賛される。1816年にドゥルアリイ・レーン劇場で上演された『バートラム』は大成功をおさめた。1820年に上梓された最大の傑作『放浪者メルモス』は、彼の死後ロセッティ、ワイルド、ポー、ボードレール、バルザックらに多大な影響を与えた。
富山太佳夫 (トミヤマタカオ)
1947年鳥取県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、青山学院大学教授。専攻、英文学。主な著書に、『シャーロック・ホームズの世紀末』(1993、青土社、芸術選奨新人賞)、『ポパイの影に―漱石/ フォークナー/文化史』(1996、みすず書房)、『書物の未来へ』(2003、青土社、毎日書評賞)、『笑う大英帝国―文化としてのユーモア』(2006、岩波新書)、主な訳書に、ソンタグ『火山に恋して―ロマンス』(2001、みずず書房)、ピーター・ゲイ『快楽戦争―ブルジョワジーの経験』(2001、青土社)、ジョナサン・スウィフト『ユートピア旅行記叢書6 ガリヴァー旅行記』(2002、岩波書店)、ピーター・ペリクレス・トリフォナス『エーコとサッカー』(2004、岩波書店)などがある。