図書新聞「2023年上半期読書アンケート」(7月29日付)に、以下の書籍が選出されております。
◆『近代日本美術展史』(陶山伊知郎著) 選者:暮沢剛巳さん(美術・デザイン批評)
「日本の美術展の歴史が大手新聞社と切っても切れない関係にあることが見えてくる」
◆『そして私たちの物語は世界の物語の一部となる インド北東部女性作家アンソロジー』(ウルワシ・ブタリア 編/中村唯 監修) 選者:小池昌代さん(詩人)
「驚きと親近感で読み出したら止まらない」
◆『定本 夢野久作全集 第8巻』 選者:川村邦光さん(文化史研究)
「夢野の関東大震災スケッチが収められている。歴史の記憶の再発見となろう」
◆『マナ・タブー・供犠 英国初期人類学宗教論集』〈シリーズ宗教学再考 1〉 選者:川村邦光さん
「新たな読みを通じて、古典から知の弾丸が飛び立つだろう」
◆『〈ポストヒューマン〉の文学 埴谷雄高・花田清輝・安部公房、そして澁澤龍彥』(藤井貴志 著) 選者:郷原宏さん(文芸批評)
「われわれを再度戦後文学の世界に連れ戻すだけの説得力を具えている」
◆『五つの箱の死』〈奇想天外の本棚 9〉(カーター・ディクスン 著/白須清美 訳/山口雅也 製作総指揮) 選者:小森健太朗さん(ミステリ作家)
「旧訳ではアンフェアにもみえていたカーの仕掛けが、本書ではよりフェアプレーな仕掛けとして吟味され賞翫することができる」
なお、同号には『ヴィヨン全詩集』(宮下志朗訳)の中務哲郎さん(京都大学名誉教授)による長大な書評も掲載されております。
また、週刊読書人「2023年上半期の収穫から」にも『〈ポストヒューマン〉の文学』が選出されました。
選出されたのは日比嘉高さん(日本近現代文学・文化研究)と郷原佳以さん(フランス文学)です。
郷原さん「埴谷の『死霊』に「反出生主義」を読み込む第三部は衝撃的だった」