2023年4月
2023年4月情報一覧です。
小冊子『国書刊行会50年の歩み』につきましてお知らせ
御好評を賜っております『国書刊行会50年の歩み 国書刊行会創業50周年記念小冊子』の増刷が出来上がって参りました。
毎日新聞に『HERE』書評掲載
「毎日新聞」4月8日付書評欄に『HERE』(リチャード・マグワイア著/大久保譲訳)の書評が掲載されました。
評者は成田悠輔さんです。
『HERE ヒア』(リチャード・マグワイア 著/大久保譲 訳〉
窓と作りつけの暖炉のほかには何もない部屋、左上には2014年という数字。ページをめくると、1957・1942・2007......と様々な年代の同じ空間が現れ、さらに異なった年代の断片が共存・混在していく。そして紀元前30億50万年から22175年まで、ある家族の記憶の数々が地球の歴史と一体となって圧倒的なビジュアルで奏でられていく
――リチャード・マグワイア『ヒア』はある部屋の一角の物語であり、地球の黎明期から遥かな未来まで、この空間で起こる無数の出来事の物語である。コミック形式の画期的なヴィジョンの完成形として、このジャンルの最大の発明家の一人が送りだす、まったく新しい文学、究極のグラフィック・ノヴェル/アート・ブック、そして深遠なる哲学の書にして驚異の書物がついに登場!
*日本版特別附録:1989年オリジナル版・2000年版「ヒア」と、クリス・ウェアのエッセイなどを収録。
図書新聞・週刊読書人に『誰?』『FDRの将軍たち』の書評掲載
★「図書新聞」4月8日号に『誰?』(シリーズ「奇想天外の本棚」)の書評掲載。
評者は北原尚彦さん(作家・翻訳家)です。
「正に《奇想天外の本棚》から刊行されるに相応しい作品だ」
「原作は1958年、つまり65年前に書かれたもの。だが、決して古びていない」
『誰?』(アルジス・バドリス 著/柿沼瑛子 訳/山口雅也 製作総指揮)
アメリカの天才物理学者ルーカス・マルティーノは、自らが立案した極秘のK88計画の実験中に大爆発に巻き込まれ瀕死の重傷を負った。事故の起きた研究所が、連合国支配圏とソビエト社会主義国支配圏の境界近くにあったため、マルティーノはいちはやく現場に駆けつけたソビエト側の病院に収容されてしまう。そして3か月後、外交交渉の末、マルティーノは解放されることになる。だが国境線の検問所のゲートから現れたのは、卵型の金属の仮面をつけ、体のほとんどが機械で出来た、変わり果てた姿のマルティーノであった! 果たして彼は本物のマルティーノなのか、それとも別人なのか、本物であれば洗脳されているのではないのか、解放したソビエトの意図とは?
全編に緊張感をみなぎらせ、独特の抒情を漂わせつつ展開する、SF界の巨匠バドリスの代表的長編SFサスペンス。
★「週刊読書人」4月7日号には『FDRの将軍たち』の書評掲載。
評者は野中章弘さん(ジャーナリスト・早稲田大学教員)です。
「著者は膨大な史料を読み込むことで、この4人の歴史的な人物たちに息を吹き込み,真珠湾攻撃の前から終戦までの5年に及ぶ激動の時代を生き生きと描いている」
(ジョナサン・W・ジョーダン 著/中沢志保 訳)
パールハーバー攻撃により、孤立主義の眠りから覚めたアメリカ。フランクリン・ローズヴェルト大統領は、来るべき戦争において自らとともに国家の舵取りを担う、リンカーンの時代以来最高の「ライヴァルたちのチーム」を結成すべく、ヘンリー・スティムソン陸軍長官、アーネスト・キング提督、ジョージ・マーシャル将軍に白羽の矢を立てた――『ニューヨーク・タイムズ』紙ベストセラーの著者が、ローズヴェルト大統領の軍事指導者たちの実像と、大統領の権力の裏側を活写した、迫真の記録。
(ジョナサン・W・ジョーダン 著/中沢志保 訳)
ローズヴェルト、スティムソン、キング、マーシャル――性格も生い立ちも政治的立場もまったく異なっていた強烈な個性を持つこの4人は、歴史上最も壊滅的な戦争を通じて国を導き、アメリカが前例のない影響力を持つ新時代を切り開いてゆく。だが、そこに至る過程では、彼らを分断した数々の深刻な個人的・政治的相違を克服しなければならなかった。第二次大戦中のアメリカのリーダーたちを生き生きと描写し、戦勝がどのようにもたらされたのかについて深い洞察を求める、あらゆる人にとっての必読書。