『兎の島』の評者は「ときのき」さん。
「語り手の意識がシームレスに幻想世界と接続される瞬間をそのまま写生したようなかのような奇妙な読み心地。物語が明快なオチに辿り着くことはなく、読み手の不安は落ち着く先を見つけることができない。物語が途切れた先に繋がっているのは、読者それぞれにとっての、語られざるあの日の記憶だからだ」
『陽だまりの果て』の評者は勝山海百合さん。
「匂いがするようなくっきりとした風景や、器物の手触りを感じられる描写で読者を物語の世界に誘い、絡め取って逃さない」
『兎の島』(エルビラ・ナバロ 著/宮﨑真紀 訳)
世界の文芸シーンでブームの渦中にある〈スパニッシュ・ホラー〉の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!!
現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、
生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、
現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短篇集!
『陽だまりの果て』(大濱普美子 著)
【第50回泉鏡花文学賞受賞!】
〈ないことないこと〉が書き連ねられた物語、この世の裏側に窪んだどこにもない場所。魅惑に溢れた異世界へ――
時空や他己の隔たりを超えて紡がれる、懐古と眩惑に彩られた幻想譚6篇を収録。