評者は塚本勝也さん(防衛研究所社会・経済研究室長)です。
「本書は戦時にあっても多様な利害の調整を図る政治家の在り方を考える上で非常に貴重な示唆を与えてくれる」
『FDRの将軍たち ローズヴェルトの最高司令部はいかにしてアメリカを勝利に導いたか(上)』 (ジョナサン・W・ジョーダン著/中沢志保訳)
パールハーバー攻撃により、孤立主義の眠りから覚めたアメリカ。フランクリン・ローズヴェルト大統領は、来るべき戦争において自らとともに国家の舵取りを担う、リンカーンの時代以来最高の「ライヴァルたちのチーム」を結成すべく、ヘンリー・スティムソン陸軍長官、アーネスト・キング提督、ジョージ・マーシャル将軍に白羽の矢を立てた――『ニューヨーク・タイムズ』紙ベストセラーの著者が、ローズヴェルト大統領の軍事指導者たちの実像と、大統領の権力の裏側を活写した、迫真の記録。
『FDRの将軍たち ローズヴェルトの最高司令部はいかにしてアメリカを勝利に導いたか(下)』 (ジョナサン・W・ジョーダン著/中沢志保訳)
ローズヴェルト、スティムソン、キング、マーシャル――性格も生い立ちも政治的立場もまったく異なっていた強烈な個性を持つこの4人は、歴史上最も壊滅的な戦争を通じて国を導き、アメリカが前例のない影響力を持つ新時代を切り開いてゆく。だが、そこに至る過程では、彼らを分断した数々の深刻な個人的・政治的相違を克服しなければならなかった。第二次大戦中のアメリカのリーダーたちを生き生きと描写し、戦勝がどのようにもたらされたのかについて深い洞察を求める、あらゆる人にとっての必読書。