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「幻想と怪奇」11号に『陽だまりの果て』書評掲載

更新日:2022/09/06

『幻想と怪奇』(新紀元社)11号に『陽だまりの果て』(大濱普美子著)の書評が掲載されています。
評者は末吉姿子さん。

「ごく身近にありそうな物語のはじまり。それを語る、ごく自然な言葉。だが、そこから立ち上がってくるのは、それまで見えなかった、気づかずにいた「何か」。それは時として怖いものにもなる」

『陽だまりの果て』(大濱普美子 著)
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〈ないことないこと〉が書き連ねられた物語、この世の裏側に窪んだどこにもない場所。魅惑に溢れた異世界へ――

時空や他己の隔たりを超えて紡がれる、懐古と眩惑に彩られた幻想譚6篇を収録。

〈傾聴ボランティア〉の派遣先で出会った老婦人の作り話とも真実ともつかない昔語りと、主人公の過去現在が絡み合う交感の物語。(「ツメタガイの記憶」)
行きつ戻りつ繰り返される、老人の記憶の窓に映る追想。(「陽だまりの果て」)
老いを意識し始めた主人公が姉御肌の老女と出会い、かけがえのないものを託される。(「骨の行方」)

● 皆川博子さん 推薦!
「表現は静謐でかろやかでさえあるのに、内在するのは深く重い生と衰と死と哀と慈である。
個が認識するものが細やかに巧緻に描かれるとき、一見ありふれた日常が、貌を変える。
現象のうわべに馴染んだ目には異様と映る、それこそが、真実の相であろう。
満ち足りた思いで読了した。」
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