2022年5月
2022年5月情報一覧です。
「図書新聞」6月4日号にて『フィリア――今道子』書評掲載
「図書新聞」2022年6月4日号(3545号)に『フィリア――今道子』の書評掲載。評者は平井倫行さん(國學院大學講師)です。
「今の作品に慣れ親しんだ読者にとり本書はその活動全体を見渡し作家の現在いる場所から越し方を「振り返る」書として、と「同時に」、これから今の世界へとより深く足を踏み入れることを希望する者にとって本写真集は、その導入にして一つの到達点「未来」への針路をも予見させる最良の案内書となるであろう」
(今道子 写真/高橋睦郎・中森康文・水沢勉 執筆/朝木由香 編/柿沼裕朋 インタビュー)
魚や果物などの食材や、靴や帽子といった日常的なモノを組み合わせてオブジェを制作し、自邸の自然光で撮影して幻想的な作品世界を創造する写真家・今道子(こん みちこ、1955-)。《蛸+メロン》《キャベツ氏》など初期の代表作から、近作の《繭少女》《シスターバンビ》、そして最新作の《巫女》まで、カラー、ポラロイド写真を含む計100点の作品を掲載する。巻末には作家へのロングインタビューや論考、作品リストや展覧会歴も収録。第16回木村伊兵衛写真賞(1991年)を受賞するなど、国内外で高い評価を得てきた「異色の写真家」の40年余にわたる活動の軌跡をたどる決定版。
本書が図録となった展覧会などを対象として、2022年日本写真協会賞作家賞を受賞。
「図書新聞」5月28日号にて『新興写真の先駆者 金丸重嶺』書評掲載
「図書新聞」2022年5月28日号にて『新興写真の先駆者 金丸重嶺』(鳥海早喜 著)の書評が掲載されております。評者は松實輝彦(名古屋芸術大学教授)さんです。
「本書には40点の口絵写真と200点を超える写真図版が満載されており、それらのイメージからも写真家の全体像が把握できるという贅沢な造りとなっている。解りやすく丁寧な記述による考察は、この稀有な写真家の研究に関する今後の重要な起点となり、道標となるものである」
日本初の商業写真スタジオ「金鈴社」、ベルリンオリンピック取材、写真大壁画《撃ちてし止まむ》、あるいは教育者として日本大学芸術学部写真学科の礎を築く――。
手がけたクローズアップ写真やフォトグラム、スナップ写真、報道写真は時代の先端をいき、後半生はあますことなく後進に伝えることを使命として時代を駆け抜けた。人の心を動かす写真とはなにか? 日本の写真界を、新しい写真の探求へと誘引する、写真に遊ぶ巨人が詳らかに! 初評伝及び意欲的論考。口絵32頁及び本文図版220点余収録。
「クロワッサン」5月25日号にて『手招く美女』が紹介されました
「クロワッサン」2022年5月25日号、「文字から栄養 よりすぐり読書日記」のコーナーにて『手招く美女』紹介。書き手は瀧井朝世さん。紹介文は「美しい文章で堪能する心理的な恐怖の数々」と題されています。
「恐怖はもちろん、ずっと保たれる不穏な空気感の素晴らしさにしびれる8篇だった」「どれも人間心理が巧みに描かれていて引き込まれる。翻訳も素晴らしく、ありがたい」
『手招く美女』(オリヴァー・オニオンズ/南條竹則、高沢治、館野浩美 訳)
邪悪なものの憑依と精神崩壊の過程を鬼気迫る筆致で描き、ブラックウッド、平井呈一らが絶賛した心理的幽霊譚の名作「手招く美女」。沈没寸前のガレオン船の前に霧の中から現れた謎の船の正体とは......超時間的な幻想譚「幻の船」。シチリアの富豪の娘が旅先のチュニスで英国青年と恋に落ち、同時に神秘的な人格の変容を経験する。エキゾティックな舞台に古代幻想が交錯する中篇「彩られた顔」など全8篇と、作者がその怪奇小説観を披露したエッセーを収録。英国怪奇小説の黄金時代に、精緻な心理主義と怪異描写、斬新なアイデアで新しい地平を拓いたオリヴァー・オニオンズの怪奇小説傑作選。
「ムー」6月号にて『オカルトタロットの歴史』紹介
「ムー」2022年6月号にて『オカルトタロットの歴史』(ロナルド・デッカー、マイケル・ダメット 著/今野喜和人 訳)が紹介されました。
「このような企画が通る時代を迎えられたことには、感涙を禁じえない。全600ページに及ぶ大冊であるが、オカルティズムやタロットに関心のある人なら、ページをめくる手が止まらなくなる、圧倒的な情報量と面白さ。まさに極上の愉悦である」
『オカルトタロットの歴史 1870-1970年』(ロナルド・デッカー、マイケル・ダメット 著/今野喜和人 訳)
タロットの秘儀化はいかにして生まれ、いかにして解体し、さらに広い文化的事象へと展開していったのか?――黄金の夜明け団やアレイスター・クロウリーによるタロットの扱い、現代において最も流通している「ウェイト=スミス版タロット」の誕生にまつわる経緯など、日本でも関心が高い主題を取り上げ、基本的には遊戯用のカードに過ぎなかったタロットが18世紀末以降、古代以来のありとあらゆる神秘思想を担う図像の集成となり、また人間の運命を見通す占いの道具となっていった歴史を、世界各地で活動したタロティストたちの人生と思想、社会の動きを織り交ぜながら興趣あふれる筆致で描き出した決定的大著。
「家庭画報」6月号にて『風水龍脈ツアー』紹介
「家庭画報」2022年6月号にて『風水龍脈ツアー』(御堂龍児著)が紹介されています。
「気軽に旅行に行けない今だからこそ手に入れたい、眺めて旅する開運ガイドである」
『風水龍脈ツアー』(御堂龍児 著)
古来の風水術・尋龍点穴に基づき厳選した〈聖なる土地〉を、風水師が正統な術式のもとで撮影した霊験あらたかな写真とともに紹介。心を福満ちる場所へと案内する、スピリチュアル旅ブック。
「ダ・ヴィンチ」6月号「ブックデザイナーの装丁惚れ」にて《マニュエル伝》紹介
「ダ・ヴィンチ」2022年6月号の「ブックデザイナーの装丁惚れ」コーナーにて大久保明子さんに《マニュエル伝》を紹介いただきました。
「原価を抑えることにしのぎを削っていると、国書刊行会さんの本が眩しい時がある。本シリーズも決して安価ではないが、丁寧な作り込みに納得して付いてきてくれる読者との信頼関係が素敵だ」
マニュエル伝(J・B・キャベル著)
豚飼いからポアテム国の救世主となったドム・マニュエルを始祖とする23代9世紀にわたる壮大な年代記。夢想の異世界を巡るロマンスをベースとした冒険喜劇で、原書はエッセイや詩を含む全18巻からなる。本シリーズでは特に評価の高い3冊『ジャーゲン』『土のひとがた』『イヴのことを少し』を刊行する。
ジャーゲン(中野善夫 訳)
イヴのことを少し(垂野創一郎 訳)