「魅惑的謎・異様な構成によって本自体が思考し始め、読む者から理性を巻き取ることで深層に沈み込んでいく。鮮烈な景色を浮かび上がらせるのは、フェイクが斑に染め上げるフィクションの隙間。これは推理などという行儀の良いものではない。しかしそこから推理が始まるのだ」
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『インディゴ』(クレメンス・J・ゼッツ 著/犬飼彩乃訳)
軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。
◆円城塔氏
ナイフのような思考回路に指を滑らせていく
これは人が読んでよい類いの書物であるのか
◆山本貴光氏
私はなにを読んでいるのか?
デジタルゲームで遊ぶときのように、
つぎつぎと現れる多様な断片の組み合わせから、名状しがたい意識が創発する
これは、近づく者を狂わせる複合現実小説(Mixed Reality Fiction)だ