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2022年2月情報一覧です。

2022/02/22

日本経済新聞「目利きが選ぶ3冊」に『土のひとがた』選定

2月17日付「日本経済新聞」夕刊「目利きが選ぶ3冊」のコーナーにて《マニュエル伝》『土のひとがた』(J・B・キャベル/安野玲訳)が選定されております。選んでいただいたのは、小谷真理(ファンタジー評論家)さん。


「ちょっとトホホな、しかし何やら人生の真実をグサリと突き刺すような場面が次々登場し、批評精神に飛んだ展開が楽しめる」

9784336065421.jpg豚飼いマニュエルは金髪碧眼の美丈夫、母の教えに従っておのれの理想の姿を土の人像(ひとがた)に映すべく、日々黙々と土をこねては人像作りに精を出す。そこへ怪しき老人が現われて、「邪悪な魔法使いに拐かされた姫君を救って妻となせ」と、マニュエルに一振りの魔剣を与えた。いざ魔法使いを打ち倒さんと旅立ったマニュエルだが、途中で出会った男装の乙女に恋をして、魔法使い成敗はそっちのけ、肝心の姫君には目もくれず、乙女と手に手を取って意気揚々と帰還する。めでたしめでたし──と思いきや、死神があらわれて愛しい乙女を冥府へと連れ去った。かくして若きマニュエルの真の旅が始まる。時空を超えて連綿と続く英雄一族の始祖ドム・マニュエルがいかにして生まれたかが語られる、これは始まりの物語。

2022/02/17

「BRUTUS」にて『高原英理恐怖譚集成』紹介

「BRUTUS」(2月15日号)の「BRUTUSCOPE」のコーナーにて、『高原英理恐怖譚集成』が他の高原さんの新刊『日々のきのこ』(河出書房新社)・『観念結晶大系』(書肆侃侃房)と共に紹介されております。書き手は鳥澤光さん。


「精緻に磨き上げられたその言葉は、ほの青く透徹する光を放ちながら漆黒の闇にも潜り込み、耽美に可憐に花開く」
「小説に導かれるまま日常の裏側へ、奇想の森へ、宇宙と時の最果てへ」

幻想文学新人賞(選者=澁澤龍彦・中井英夫)と群像新人文学賞の鬼才、高原英理の怪奇恐怖小説を集大成。都市幻想を描く「町の底」、ゾンビの愛の物語「グレー・グレー」など、伝説的なホラー小説集『抒情的恐怖群』の全7編に、「 闇の司」「 水漬く屍、草生す屍」「かごめ魍魎」など5編を増補。「ホラーの古典的素材を昇華させ、巧緻な語りの技術で幻惑的な幻想小説に仕上げた」と絶賛された中短編小説。
京極夏彦氏推薦!「幻想を言葉にするのではない、言葉が幻想なのだ。戦慄を飼いならした小説ではない、小説が戦慄せしめるのである。高原英理の紡ぐ殺ぎ落とされた幻想と幻想の行間に、我々は己の儚さを知り、ただ戦慄するのである」

2022/02/15

「週刊読書人」と「西日本新聞」に『ゴーストランド』書評掲載

「週刊読書人」2月4日号に『ゴーストランド』の書評掲載。評者は平野幸彦さん(新潟大学准教授)です。


「本書の読みどころは、主張それ自体もさることながら、個々の対象の詳細を具体的に記録し、そこに隠された歴史を見出し、説得力をもって提示する手際の見事さにあると言えるだろう」

さらに「西日本新聞」2月12日付け読書欄には河野聡子さん(詩人)の書評も掲載されました。

「本書を読んでいると、では日本の幽霊物語にはどんな深層が隠れているのだろうかという問いがむくむくと湧き上がる。私たちは幽霊の物語に何を託し、何を隠しているのだろうか」

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『ゴーストランド 幽霊のいるアメリカ史』(コリン・ディッキー著/熊井ひろ美訳)
アメリカ各地に残る幽霊話は、この国が忘れようとしてきた過去、見捨てられた存在を闇の中から呼び起こす。先住民、魔女裁判、奴隷制、南北戦争、売春宿、精神病院、刑務所、廃工場――幽霊たちがかきたてる恐怖の背後には、アメリカという国が抱える根源的な不安がひそんでいる。全米の有名な幽霊スポットを興味深いエピソードをまじえて紹介しながら、「幽霊の国アメリカ」の深層を描いて話題を呼んだノンフィクション。

2022/02/15

紀伊國屋書店「キノベス! 2022」に『インディゴ』ランクイン

紀伊國屋書店スタッフが選定するベスト30「キノベス!」に、『インディゴ』(クレメンス・J・ゼッツ著/犬飼彩乃訳)が25位でランクイン。紙版のフリーペーパーには国分寺店の當麻卓也さんにコメントをいただいています。


「魅惑的謎・異様な構成によって本自体が思考し始め、読む者から理性を巻き取ることで深層に沈み込んでいく。鮮烈な景色を浮かび上がらせるのは、フェイクが斑に染め上げるフィクションの隙間。これは推理などという行儀の良いものではない。しかしそこから推理が始まるのだ」


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『インディゴ』(クレメンス・J・ゼッツ 著/犬飼彩乃訳)
軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。

◆円城塔氏
ナイフのような思考回路に指を滑らせていく
これは人が読んでよい類いの書物であるのか

◆山本貴光氏
私はなにを読んでいるのか?
デジタルゲームで遊ぶときのように、
つぎつぎと現れる多様な断片の組み合わせから、名状しがたい意識が創発する
これは、近づく者を狂わせる複合現実小説(Mixed Reality Fiction)だ

2022/02/15

『掠れうる星たちの実験』が日本経済新聞「目利きが選ぶ3冊」欄に掲載

2月3日付け「日本経済新聞」夕刊文化欄「目利きが選ぶ3冊」欄にて、陣野俊史さん(批評家)に『掠れうる星たちの実験』(乗代雄介著)を選定いただきました。


「新進作家の幹は歩くこと 陣野俊史氏が選ぶ一冊」(会員限定記事)

「乗代が書評している作品の作家を挙げれば、サリンジャーや柳田は当然として、フェルナンド・ペソア、木下古栗、ウラジーミル・ナボコフ、松本隆、レベッカ・ソルニット、いがらしみきお、森鷗外......と幅広い。おや、これでは、作家の資質がわからない......と、考え込んでいると、不思議なことに一つのテーマが浮かんでくる。それは「歩くこと」。歩いて移動することこそ、この作家にとって不可欠な運動なのである」

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掠れうる星たちの実験(乗代雄介著)
サリンジャーの戦争体験と柳田國男の恋。終生秘められた「実験」の記憶から、文学への態度において不思議なほど似通う二人が追い求めた〈生きた「もの」〉を透視する驚異の批評。
第162回芥川賞候補作『最高の任務』に続く〝阿佐美家サーガ〟の特異点「フィリフヨンカのべっぴんさん」を含む書き下ろし/単行本未収録の掌編9本(総120枚)、実感に向かって書くこと、〈生きた「もの」〉の痕跡が「残される」ことをめぐる書評28編を併録。

2022/02/15

『2084年報告書 地球温暖化の口述記録』著者が朝日新聞にてインタビュー

2月11日付「朝日新聞」に「気候変動 SFから警告」という記事が掲載され、『2084年報告書 地球温暖化の口述記録』の著者ジェームズ・ローレンス・パウエル氏がオンライン・インタビューされております。


web版(朝日新聞デジタル)の「水没、干ばつ、消える都市 地質学者は2084年の人々を訪ね歩いた」という記事にはより詳しいインタビューが掲載。有料会員記事ですが、ぜひご覧ください。

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『2084年報告書 地球温暖化の口述記録』(ジェームズ・ローレンス・パウエル著/小林政子訳)
すでに世界は深刻な気候温暖化で危機に直面している。歴史記録の研究者(2012年生)が、なぜ温暖化を阻止できなかったのかという疑問を念頭に世界各地の記者や学者の歴史証言を取材して執筆。21世紀初めの10年、20年間には深刻な影響が明らかだったのに、政治家や化石燃料推進派は科学的根拠を否定し続け、科学者の警告を握りつぶした。2050年以降世界各地で未曽有の事態が進行し、2084年には人類は生存の危機に瀕していた――

2022/02/10

『奇奇怪怪明解事典』刊行記念選書フェア開催・特設ページ開設

『奇奇怪怪明解事典』刊行にあたり、特典つき選書フェアを開催いたします。

開催書店でお買い上げいただいた方に、「著者直筆サイン&フェア限定エピソードQRつき特製しおり」をプレゼント。
詳細は以下をご覧ください。



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『奇奇怪怪明解事典』(TaiTan〔Dos Monos〕/玉置周啓〔MONO NO AWARE〕 著)
Spotify独占配信・チャート最高順位1位
大人気ポッドキャスト、待望の書籍化!
日常を薄く支配する怪奇現象、カルチャーと現代社会の森羅万象から、人間世界を織りなす言葉そのものへ!
TaiTan(Dos Monos)と玉置周啓(MONO NO AWARE)がゆく、あてどなくはてしない対話の旅。
(解説・上出遼平)

2022/02/02

「毎日新聞」「東京新聞」に『セピア色の昭和時代』が相次ぎ紹介

「毎日新聞」1月30日付、「東京新聞」2月2日付(いずれも茨城版)に、『セピア色の昭和時代』の著者・写真家の鈴木路雄さんを取材した記事が掲載されました。


「街に行けばモチーフが転がっている。暗中模索しながら夢中でシャッターを切った」(「毎日新聞」インタビュー)
「人そのものよりも、それを見ている人に興味があった」(「東京新聞」インタビュー)

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『セピア色の昭和時代』(鈴木路雄 著)
終戦から立ち上がる人々の息遣い、希望に満ちた戦後の十年。茨城県古河市に住む写真家が描写する昭和の残照。
*本書「はじめに」より――
「戦後十年、日本人は食料、物資などが困窮した激動の時代ではありますが、朝鮮動乱による特需景気、神武景気、岩戸景気などを経験し、東京オリンピック開催など希望に燃え、やがて来る高度成長に期待した時代でもあります。
モノクロ写真は、カラー写真にはない奥深い想像の出来る世界です。オート三輪車が通り過ぎたあの時のガソリンの匂い、横丁に駆けて行く子どもたちの歓声、遠くでとうふ屋さんが吹くラッパの音......当時のカメラ小僧は、生活、事象などのドキュメントに情熱を燃やし、地方都市のあり様を活写したものです。
このような時代変革の時に写真機を持ち歩き、街を遊歩したことを回顧出来ることは、幸いの極みであります」

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