「著者の深い考察は、水俣、チェルノブイリを思いと交錯し、読者に俯瞰の経験を与えてくれる」「被災者にとっても災害時の支援者にとっても、災害から回復していく過程を進むための羅針盤になる贈り物である」
『周辺からの記憶 三・一一の証人となった十年』
東日本大震災は、時代を共有するすべての人に大きな影響を与える歴史的出来事だった。被災地から離れた周辺部にいる私たちも、これを自分事として生き抜く必要があった。被災と復興の証人になろうとプロジェクトを立ち上げ、十年間、東北四県を訪れ、現地の人々と顔の見える関係を結び、それぞれの土地の豊かさとともに、被災がもたらした影響やそれを生き抜く今を記録してきた。本書は、それを、私の小さな物語として語ろうとするものである。