日本近代文学105集2021年11月号で『探偵小説と〈狂気〉』が紹介されました。
評者は北海道大学大学院文学研究院教授の押野武志氏。
「読者が無自覚に共有していた〈狂気〉をめぐる同時代言説との結託・共犯関係を可視化しつつ、
深層においてそうした読者を裏切ることで、同時代言説への批評性を獲得するという、文学一般
には回収されない探偵小説固有のジャンルの優位性が立証されている」
「鈴木氏の一連の論考から触発されるところは多い。戦後という断絶を挟むことなく、戦前期から
現代の日本ミステリーへと連なる本格探偵小説の系譜が見えてくる」
鈴木優作
定価 3,850円(本体価格3,500円)
近代は何を狂わせたか――江戸川乱歩・小栗虫太郎・夢野久作ほか、
探偵小説がいかに〈狂気〉を描いたかを読み解き、時代に潜む文化と
制度の裡面、そして文学によってなされた企みを明らかにする文学論。