本の雑誌1月号で『ラスト・ストーリーズ』『ウィトゲンシュタインの愛人』『ダフォディルの花』が
紹介されました。
『ラスト・ストーリーズ』2020年度現代文学ベスト10 10位(佐久間文子氏/ライター)
「ふつうの、どちらかと言えば問題を抱えた人びとの繊細な声を探り当てる」
「それぞれの短篇の終わり方がこの作家ならではのもので、鮮やかに断ち切りつつ、同時に人生の
物語は続くと感じさせ、ものすごい一手を撃ち込まれた感触がいつまでも残る」
『ラスト・ストーリーズ』2020年私のベスト3(田口久美子氏/書店員、作家)
「アイルランドは短編小説の宝庫といわれているらしい。その筆頭にトレヴァーがいるという」
「普通の人の普通の人生がここにある」
『ウィトゲンシュタインの愛人』2020年度SFベスト10 8位(鏡明氏/小説家)
「人類最後の女が思い出を書き残すという設定だが(中略)その過程で過去の名画を燃やして暖をとる。
他に燃やすものがあるだろうとも思うが、それは最後の人間が清算すべきものの象徴のように思う」
「妙にわくわくするところがある。昔のSFもそうだった」
『ダフォディルの花』2020年私のベスト3(紀田順一郎氏/評論家、小説家)
「伝説や民話、寓話や神話を背景に、きわめて格調の高い文体で独創的な物語を紡ぐ」
「装丁も溜息の出るほど美しい」
本の雑誌 HP
ウィリアム・トレヴァー/栩木伸明 訳
定価 2,640円(本体価格2,400円)
トレヴァー、最後にして最高の完成度を誇る短篇集。一人の男を愛した
幼馴染の女二人が再会する「カフェ・ダライアで」、ストーカー話が被害
者と加害者の立場から巧みに描かれる「世間話」など全10篇収録。
デイヴィッド・マークソン/木原善彦 訳
定価 2,640円(本体価格2,400円)
地上最後の一人の女性が、海辺の家で暮らしながら、終末世界の
「非日常的な日常」をタイプライターで書き綴る......息をのむほど
美しい〈アメリカ実験小説の最高到達点〉。推薦=柴田元幸・若島正。
ケネス・モリス/館野浩美・中野善夫 訳
定価 4,180円(本体価格3,800円)
ル゠グウィンがトールキンやエディスンと並べ、名文家として名を
挙げた、ケルトの魔法を歌う詩人にして神智学者である作家、ケネス・
モリス。の幻想小説を百年の時を経て集成した本邦初の単行本。