・沖縄タイムス10/10
評者は共同通信記者の上野敦氏。
「死を迎える直前まで、これほどまでに文芸の輝きを失わずに保っていたことにも驚く」
「さまざまな人生の事情、機微のひだをめでるようになぞる小説芸術に酔って欲しい」
・本の雑誌11月号
評者は書評家の林さかな氏。
「死後、トレヴァーのデスクの上に置かれていた作品「ミセス・クラスソープ」はため息が出るほど
素晴らしい」
「ひとひねりある語り口は、話の筋を容易にわからせないが、ミセス・クラスソープの人となりがみえ
てくると、ラストが染みる」
・図書新聞10/24号
評者は同志社大学文学部教授の下楠昌哉氏。
「緩急自在に奏でられる熟練の音楽をLPレコードで聞いているような味わい」
「物語の最後は、登場人物達のその後をほのめかす一節で締められる場合が多いが、全てを説明
しつくそうとは決してしない。(中略)書かないことによって、何かが表現されている」
「曖昧だった原文の曖昧さをそのまま残して見せているのは、翻訳者の実力と技量だ」
・GINZA11月号
評者はライターの鳥澤光氏。
「いくつもの時間が流れ、留まり、個人の胸の奥にしまわれていた思いの揺らぎや生活の瞬間が言葉
に置き換えらえてそっと差し出される」
「時折色をかえながら、淡い光を放つ感情が読み手を満たす」