評者は三重大学人文学部特任講師の劉霊均氏。
「「台湾語」という言語は、現在台湾の公用語「国語」を指すものではなく、かつて台湾で使用者数が
一番多かった、中国福建省南部を起源とした台湾語である。(中略)現在話者の人口が著しく減っ
ており、マイナーな言語になり、50年以内に消滅する可能性が高い言語とされている」
「台湾語という言語の活力を、この一冊の中で思う存分味わえると言っても過言ではない」「読者の理解と原文の風味を維持するために、語彙の一部は日本語に訳し、一部は言語を残して注
を施さねばならず、そのさじ加減は困難なもので、四人の翻訳者の腐心には脱帽しなければならない」
週刊読書人HP
陳明仁/酒井亨 監訳
定価 3,080円(本体価格2,800円)
"台湾語"文学の本邦初紹介。台湾語文学の旗手、陳明仁は
日本の昭和30年代のような牧歌的な農村風景に少年時代を
描き、時に二二八事件といった政治的モチーフを喜劇的に描く。
小説・詩・戯曲の選集。