軍事史学第55巻第2号(2019年9月)で『大いなる聖戦 第二次世界大戦全史』が
紹介されました。
評者は防衛大学校防衛学教育学群准教授の小数賀良二氏。
「大戦を構成した欧州と太平洋、二つの戦争をバランスよくまとめて記述することに着意
されている。結果として、欧州2:太平洋1程度の割合となり、欧州の第二次世界大戦
史としては異例なほど、太平洋戦争に紙幅を割いている」
「もう一つの大ききな特徴は、「英雄・悪玉史観」の排除である。著者によれば、現代の
戦争とは社会集団・組織的機関間で戦われるものであり、個々の指揮官は英雄を必
要とする社会のためにメディアによって仕立て上げられたにすぎない。そのため、本書
は個々人を考察したり論評したりすることはほとんどない」
H・P・ウィルモット/等松春夫 監訳
各定価 5,060円(各本体価格4,600円)
20世紀の戦争と戦略に関する研究を進めてきた斯界の碩学が、第二次
大戦における通念の数々を、新たな視座に基づいた緻密な分析によって
刷新し、その相貌を巨細にわたり描き切った決定的大著。